自分にしか分からない |
アジサイ | の | 村 | の広場 |
ミュウ | / | あおゆ | 小6 |
桜の散り始め頃のある日、枝を離れた花びらを見ていて、これが地面に達する |
までのあいだの状態を、ぴたりと表す言葉が無いのにきがついた。からまつの |
葉鋸とを日記にかこうとしたが、からまつの葉がとだけ書いてたちまち言葉に |
つかえたものだ。青年時代の経験だが、今なおあの光景を表す言葉を発見でき |
ないままである。花便りのいろいろの言葉を作り出し、育ててきた日本語だか |
ら、自分のまだ知らない所に、あの美しさを表す言葉があるかもしれない。 |
似た話で、こまったことがあった。国語の時間。「はいっ。えっとあれ・・ |
。なんていえばええんかな。・・・・・。」答える時、丁度いい言葉がなくて |
、結局答えはいえなかった。友達が「??さんの言いたいことは多分こうだと |
思います。」といってくれたが、それもちょっと違うと思った。自分がおもっ |
ていることは人には分からないと思った。頭の中では思い浮かべられるのに、 |
口ではうまくいえない。それで、解決方法をつくった。「絵」にかいて説明す |
ればいいのだ。「絵」にかいてせつめいすれば、よく分かると思ったからだ。 |
お母さんにきいてみると、子供のとき、林間学校でまっくらの夜、山のなか |
できもだめしをしたとき、鬼子母神におまいりするのが、言い表せないほどこ |
わかったそうだ。「いま美佑にどんな気持ちか聞かれても言い表せないわ~」 |
といっていた。よほどこわかったのだな。 |
このことから、自分の気持や思ったことは、口ではいいにくく、伝えにくい |
ことがわかった。それで、もしまた困ってしまったら、こんどは「絵」にかい |
て説明しようかな。 |