私にとってのいい先生 |
ウグイス | の | 村 | の広場 |
しっぽ | / | ほし | 小6 |
私が一年生のときのことだった。 |
「どうしてこんなに遅れたの?」 |
と先生が少し怒っていた。まだ一年生になって二週間ほどの土曜日、みんな |
で外で遊んでいた。いつもは十時十五分~十時三十五分までだが、土曜日は十 |
時十分~十時二十五分までだということを知らなかった。一年生の私達は休み |
時間はてっきりいつも通りだと思っていて、三十五分になってから教室に帰っ |
てきたのだった。先生に遅れてきた理由が言えず、クラスの半分以上の人達が |
後ろに立たされた。先生は、 |
「ごめんなさいと謝るまで席には戻しません。」 |
私達はみんな顔を見合わせてしばらく黙っていた。他の人が静かに授業を始 |
めたときに私は泣きながら小さな声で |
「…ごめんなさい。」 |
と言った。先生は私を席に座らせてくれた。まだほとんどの人が後ろに立っ |
ていた。私はその時先生はひどい、と思ったが、今思うと、一年生だから、と |
甘やかさず、厳しくしかってくれた先生は今までで一番いい先生だ、と感じる |
。 |
人間にとってしかるということは、その失敗を成功につなげるためにするこ |
とで、それを耳にするのはすごくいやなことだが、あとにはきっと役立つこと |
だと思う。「良薬口に苦し」とはこのことだ、と感じた。 |