花は咲くのが仕事 |
イチゴ | の | 道 | の広場 |
がっちゃん | / | てな | 高1 |
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人間は芸術を作り出す。美術、音楽等、いろいろな美を生み出し、それをま |
た人間に鑑賞してもらう。しかし、私たちはそれ以外に日常で美を見ている。 |
自然の美だ。例えば、月が湖に写ったとき、それは景色から美に変わる。自然 |
の美は意識を持たないので、誰に鑑賞してもらおうともせず、ただ、淡々とそ |
こにある。人間の作り出す造型美、自然が作り出す自然美。造型美は作為のあ |
る美。自然美は普通の美。こう考えると、造型美の方は次元の低い美のように |
思える。私たちは、自分達の作りだす美をもっと自然に近づけるべきである。 |
そのためには第一に、もっと芸術に打ち込むべきである。例えば、才能のあ |
る者はそれを職業にしたりする。世間に認められた者は金持ちになったりする |
。それは確かに私たちの目を楽しませてくれるが、芸術を職業とするものは、 |
段々と生活する上で食うために芸術をするような思想に変化してしまう。芸術 |
を愛し、それしか能がないと考えて始めた職業のはずなのに、欲に駈られてす |
るようになってしまう。そこでまず、造型美が劣ってしまうのだ。しかしもっ |
と芸術を追求し無心に芸術に打ち込めば、それは素晴らしい芸術に変わるだろ |
う。 |
第二に、自然に学ぶことだ。自然はなんの意識もなく美を作っている。花は |
咲くのが仕事、月は輝くのが仕事、鈴虫はなくのが仕事。これらはみんな、自 |
分たちの生態の一部に美が含まれている。しかし鈴虫はその美しさを見てもら |
おうと思って鳴いているのではない。月は、意識さえ持たない。それなのに、 |
あんなに風情のある美で私達を楽しませてくれる。いや、だからこそ、ありの |
ままの自然な美を作り出し、私達の心を魅了し感動させるのだ。その美しさを |
もっと造型美に取り入れることが出来たら、それを見た人は素直な感動を得る |
事ができるだろう。 |
私達は自然美に感動し、それに対抗して造型美を作り出したはずだった。そ |
して、造型美とは、ただ自然な現象ではなく、人工的に作られた美のはずだっ |
た。しかし、人間の欲望によって生まれた美は造型美よりも劣った代物になっ |
ている。人間である限り、欲を無くすなんていう事はできない。だから、欲の |
ない造型美など作ることは無理だと言う事を認めざるを得ない。また、現在で |
は自然の美を感じる若者が減ってきている。並木を植えたり、夜のネオンをも |
う少し控えたりして、もっと自然に触れ、自然に感動する機会を増やせば、人 |
工的な美ももっと向上するのではないか。 |