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意志を長続きさせるために何をすべきか
アジサイ の広場
○○○○ あう
 今からちょうど二十年前、義父を通して書家を紹介していただいて以来、今
でも書道の練習は続いている。天性不得意と思われる書道が二十年も続いた理
由は二つある。第一に先生の人柄がよく、書や道具の鑑定に優れていることで
あり、もう一つは、マンネリ化により習い事をやめてしまうことを防ぐため先
生に来ていただくようにし、都合が悪い場合は、ニ、三回続けて休んでも良い
と考えるようにしたことである。
 
 私も大学へ入学し、いわゆる「ダブルスクール」に通い、簿記を勉強してい
る。私が簿記学校に行って驚いたことは、一度都合により欠席しても、別の時
間帯や別の学校における同一の授業への振り替え出席、もしくはビデオやカセ
ットテープによる補講によって、欠席した部分を補うことができるシステムが
整っていることである。現在の資格重視の傾向から、仕事の合間をぬって授業
に出席している社会人も少なくない。このような補講システムは、そのような
社会人に配慮したものであると考えられるが、筆者が述べている習い事を長続
きさせる秘訣と共通するところがある。
 
 課題文において筆者が述べているように、本業以外のものを続けるというこ
とは、非常に困難である。従って一度決めたことを長続きさせるための何らか
工夫が求められるのであるが、社会において、人々が何らかのことを長続きさ
せるために制度的なサポートが必要なのではないだろうか。
 
 人々に一度決めたことを長続きさせるためには、その人の積み重ねてきたも
のが目に見えるようにすることだと思う。ただ漠然と物事を行なうということ
は、人々のモチベーションを著く低下させてしまうが、自分の努力が例えば数
値や指標などによって明確になれば、人々は達成感を得て、それが次の努力へ
つながっていく。従って人々の積み重ねてきたものを指標化できるシステムを
作り出すことが人々の長続きをサポートする制度として考えられる。
 
 確かに習い事と言うのは、二、三回は休めるようにすると休み癖がついてし
まい、かえって命取りになりかねなし、人々の意志を長続きさせることを制度
的にサポートすること自体がナンセンスであるかもしれない。しかし、不登校
の学生、または身体に何らかのハンディを背負う人などの一度社会から脱落し
た人間をこのようなシステムによって復帰させれば、社会全体の水準が向上す
ることが期待される。したがって、このような制度を我々が検討する価値は十
分にあるのではないだろうか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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