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楽しかった木登り エンジュ の広場
ユッコ あるろ 中1

 私は、小学生の頃、何度も木登りをしたことがある。毎週のように、暗がり峠を登り、森のレストハウスで食事をしたり、遊んだりとても楽しかった。遊
びは全部、自然の遊びで、落ち葉でトランポリンを作ったれ、ターザンをしたりした。その中で、木登りという遊びがある。  

 今回は、その「木登り」についてお話ししよう。
 

 木登りをしたきっかけは父にある。父がつなを持ち、足をしっかりふみしめて、ゆっくりゆっくり登った。そして、第一本目の枝までたどり着いて、
 

 「登ってみたいだろう。」
 

 といったのだ。その時から私は、一回でいいから木に登って下を見下ろしてみたいと思った。父が木からおりてきて、「まず、つなをしっかり持つ。」と
いうふうに木登りのやり方を教えてくれた。そして、いよいよ実際に木を登ってみることにした。はじめのうちは、すべったり、つなが安定しなかったり、 なかなか登れなかった。でも、何度も何度も挑戦しているうちに、やっと第一本目の枝まで登れるようになった。でもまだ、父に助けてもらっているので、 次来たときは、一人で登れるようになろうと思った。このように、一歩一歩と、木登りの階段をかけあがっていった。  

 もう簡単に木登りができるようになったときである。私は、木の頂上まで行きたいと思うようになってきた。だから、いつものように、綱を持って、第一
本目の枝に来たとき、  

 「もっと上の方まで、登ってみてもいい。」
 

 と聞いた。すると父が、
 

 「いいけどほどほどにしときやー。おりれへんようなったら大変やからな。」
 

 「うん。わかってる。」
 

 といって木のでこぼこに足をひっかけて、ふんばって枝にしがみついてと、一本上がることができた。 「ヤター。あがれたで。高い高い。さっきのとこ
ろより、めっちゃたかいわ、木登りって楽しいな。」 といってまた登るとすると、母が、  

 「ゆきちゃん大丈夫、そんな高いところまで行こうとしてー。危ないんちゃうの。まーがんばり。」といった。そして、また登ることができた。下を見る
とちょっとこわかった。でもここは、生駒の町を見ることができた。とても気持ちよかった。 「ここ少し、町がみえんで、おもちゃみたいやわー。」 す ると三人は、顔を上に向けて、  

 「もうそろそろおしまいにしーやー。」 と言われた。だから 「あじゃあー、後一本の枝まで登らせて。」
 

 といって、登ろうと思った。しかし、私の位置から次の枝までは、だいぶある。でも、これも木登りのおもしろいところだと思い、手は出っぱっていると
ころに、足は、へっこんでいるところにひっかけた。もうかたほうの手を枝につかもうと必死で背伸びした。ぎりぎりつかめたから、足を少しずつ移動させ て、枝を鉄棒とおもってつかみがんばって体を枝にのせることができた。枝の上にこわくて立てないので、枝にしがみついたままだった。景色はいいが、そ れどころではない。 「どうしよう。どうやっておりよう。こわい。」 と大きい声で言った。  

 「やっぱりな。無理するなっていったのにー。お父さんたちは、助けにいけないんやからな。まー、まず、立ち。たたな動かれへん。」といわれたので、
必死で木の幹をつかんだ。そして、ゆっくりゆっくり膝を伸ばした。下を見ると、 「うわーーー。たっかーーー。」 と思わずびっくりしてしまった。  

 「あとはじぶんでかんがえておりてき。」 と言われたので、いろいろと、足がおけるかおけないかとか、少し試してみたけど、一番安全なやり方は、木
に抱きついておりることだと思った。虫が出てきたらどうしようかと思ったけど、もうやけくそだと思って、がしっと木を抱きしめた。木は冷たかったけど 、気持ち悪くもなんともなかった。ゆっくりゆっくりおりた。一番近い枝についたとき、 「はーーーーー。」  

 とほっとした。少し遅れたけど、あんな高いところまで登れた自分にとても満足し、うれしかった。後は、いつもの調子でおりた。 今から思うともう一
回登ってみようと思ったりするけど、当時は、もうあんな高いところ登りたくないと思っていたと思う。 木登りをしてわかったことは、テレビゲームで1 レベルクリアしたような、うれしさや達成感ではなく、奈良から北海道の祖母の家まで行ったときのような、うれしさや達成感を感じることができるという ことだ。  

 もう一回木登りをやることができたら、猿になったつもりで登りたい。 
                       
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