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詐欺師と商売 アジサイ の広場
横浜太郎 あわか 高1

 訪問販売、通信販売、路上販売など、昔(といっても僕が小さかったころだが)から信用出来ない商売とされている。最近は、それにインターネットをつか
った商売が、良くも悪くも話題になっている。お金という、物品交換において、もっとも信頼できる基準が生まれたときから、人間は販売、つまり商売をお こなってきた。その商売の、本質、さらには、商売とは何ぞやということを考えよう。  

 販売と聞いて、一番初めに頭に浮かぶのが、やはり店舗販売だと思う。店舗販売と先の、信用出来ないとされる販売方法(不信用販売と名づけ、以降、不信
用販売とする)の決定的な違いは、閉塞された空間、つまり不動の場所で売られているか否かということだ。この不動の場所で販売が行われているというのは 結構重要で、例えば、店舗販売に一番近いと思う路上販売では、いつでも、好きなときに、可能な限り好きな場所に移動することができる。はっきり言えば 、まずくなったら、即逃げられるわけだ。訪問販売でも、うちはあまりセールスマンが来たことはないのだが、多分、危ない商品を扱って、同じセールスマ ンがくることはないと思う。というより、来たら相当の馬鹿だ。通信販売は相手の顔も、商品さえも見られないし、インターネット販売においては、これに 加え、販売を行っている本当の場所さえわからない。それなのに何百万もする車や宝石、さらには家までインターネットで買うというのだから、いやはや、 なんとも恐ろしい。  

 店舗販売にくらべ、不信用販売は、楽だという、利点とも短所ともとれる特徴がある。インターネット販売や通信販売は、楽な上に便利だ。家にいながら
にして、好きなときに買い物ができる。インターネット販売では、欲しいものを安く手に入れることも可能だ。が、その反面、「楽=いろんなものを買いす ぎる=衝動買い」という、短所の方程式が成り立つ。クレジットカードを例に取るとわかりやすい。クレジットカードは現金を持たなくてすみ、また現金が 手元になくても購入できるため大変便利だが、自分でいくら使ったのかわからず、使いすぎて、結果的に自己破産を申請する、いわゆる「カード破産」が増 えている。楽なものは、長所である反面、大きな短所でもある。  

 さらに、「ヨドバシカメラ」(お気に入りなので例に出しやす)で高い商品(カメラやパソコンなど)を買うと、メーカー保証書のほかに、「ヨドバシ」が保
証する保証書もついてくる。要は、小売店に対して、商品を保証されたことにより信用が生まれるわけである。(どこかで読んだのだが、ある商売人が、「商 売は信用を売っているんだ」と言って{書いて}いた)。だが、不信用販売はどうか。まず間違いなく、小売店の保証書は着いてこないし、メーカー保証書もど うかわからない。あたまから、「不信用商売は悪い」と決め付ける気はない。まじめにやっている人も大勢いると思う。しかし、不真面目な、詐欺師がいる ため、その人たちのことばかり話題になって、結果的に無店舗販売は信用出来ないという印象を植え付けてしまう。  

 詐欺といえば、僕(うち)も以前詐欺にあったことがある。高校進学が決まった今だからぺらぺらと言えるが、とある塾の入塾テストに落っこちて、「どこ
にも入る塾がないよぅ」とわめいていた時、たまたま家庭教師の案内が入っていた。すぐTELして、体験授業を申し込んだら、気のよさそうな、自称W大4年 のお兄さんがやってきた。体験授業というより、ほとんど入会案内だったが、うまい話術であれよあれよという間に、高額のローンを組む契約をして(させら れて?) しまった。本当に、そのときは全然気付かなかったのだが、母が仕事の関係でそういうことに詳しく、あとで調べたら、おかしいということに気付いた。な んとかクーリングオフで事なきを得た(大げさ?) のだが、もしあのまま気付いていなかったら、えらいことになっていたと思う。そんな体験をしてしまったから、その後、家庭教師や訪問で模試をやるやつ  

 商売で思い出したが、以前、弟の保育園の、フリーマーケットを手伝ったことがある。もちろん、子供だからただ立って声を張り上げていただけだが、そ
れなりに楽しかった。本当の商売では、余程趣味ででもない限り、生活がかかっているので楽しんでいる余裕はあまりないと思うが、商売の本質はそれでは ないかと思う。くさいようだが、結局商売とは、商品を仲立ちにした人と人とのふれあい、コミュニケーションというやつだ。商売が楽しくなくなったとき 、商売は商売でなく、ただの金儲けになる。ロシアの作家、マクシム・ゴーリキーが「仕事が楽しみなら、人生は極楽だ。仕事が義務なら人生は地獄だ」と いう名言を残しているが、商売についても同じことが言える。商売とは、人間の、個人の、人生観のあらわれであると思う。  

 
                                             
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