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道を知らない私の想像 |
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道を知らない私の想像 |
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馬場 尋子 |
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家と家との間になんとなく作られた細いやさしい道があった。いかにも自然発生的で、人間のふみならした道だった。ところが、その道は舗装されてしま |
い、なんとも風情がなくなった。昔の道には、雑草の可憐な花、虫の死骸、ラムネびんの破片などいろんなものがあった。キララのはいっている石も、昔の |
道があってこそなのだ。道が一番道らしいのは、人間の暮らしをあたたかに支え、いろいろなものを発見することのできる踏みしめられた道である。 |
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本当に残念だが、私の家の近くには土の道がない。私は道が舗装されたあとの生まれなので、むかしの「土の道」と呼ばれるものを見たことがない。「土 |
の道」がありそうないなかでさえも、ほそうされている。,昔の道ってどんなのかなあ、と思う。石がごろごろ転がっているというが、舗装されている道でも |
石をけりながら帰るというのはしょっちゅうだから、相当ごろごろしていたんだろう。そんなにごろごろしていたら確かに舗装しようとも思うなあと思う。 |
でも落ちていていいなあ、と思ったのはラムネびんの破片だ。ラムネびんの破片が落ちている,ということは近くに駄菓子屋さんとかがあるということだ。私 |
は駄菓子がすごく好きだし、日本の町並みっぽい駄菓子屋さんがある道というのはすごくいいと思う。私はこんな舗装された道の時代なんかより、土の道が |
あった時代に生まれたかった。(・・と本気で思っている。) 今の道は、石がそこそこ落ちているだけだし、駄菓子屋さんもクソもない。ましてラムネび |
んの破片なんかどこにもない。落ちているのははっぱぐらいだ。石がごろごろしていない道もいいと思うが、歩くだけで楽しいことがあるような、ゆとりの |
ある土の道も、少しぐらいあったっていいんじゃないかと思う。いつかそんなことが考えられる時代が来てほしい。 |
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PS 無事卒業いたしました。(泣) |
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