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折り紙を渡して「3分の2の4分の3を折る」という課題をだしたとき、そのまま3分の2、4分の3と折る方法と、計算して「2分の1におればいい」という方法 |
とがある。小学校で十分練習問題をやっていても、折り紙があれば人は計算しなくてもいい、そうやって外の世界にあるものを、その場の目的に合わせて上 |
手に使うことがむしろ人間の知性の現れなのではないかと考えてみることができる。人間の知とは何かについての考え方が、頭の中ですばやく計算できるこ |
とといったものから、経験を生かし外の世界にある道具をうまく使って求められている答えを引き出すこと、といった見方に変わりつつある。 |
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「言われたとおりにすること」でテストにいい点が取れるなら、いい点を取るプログラムを作ることはむずかしくない。困るのは、人の有能さが、言われ |
たとおりにできるかどうかでは決まらないというところだ。最近学校ではいかに早く正確に計算ができるかがとわれ、成績を付ける対象になっているが、正 |
確に早く計算するようなことは、コンピューターを使えばいくらでもできる。人は、3分の2の4分の3を計算用紙の上で計算するのが適切だと判断すれば |
そうするし、折り紙の上で折ってしまうほうがきれいで速いと思えば計算しないですむのだ。 |
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こういう、場への適応力が、人間の有能さの本質でしょう。学校は、人の有能さを育てるところなのだから、子どもの頭の中に「いつでも分数の掛け算を |
絶対間違えずに速くできる」プログラムを作りたいのではなくて、その場に与えられた状況を最大限に利用するにはどうしたらいいかが苦労せずに分かる適 |
応力を目指したいはずだと思う。 |
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