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言葉では表せないものがある アジサイの広場
ハムあそみ小6

 少年の頃の桜はもっと長く咲いていた感じだが……と春ごとに同じ思いをくり返してきたが、今年の桜は久しぶりに長かった。「桜前線」という言葉はい
ただきかねる。季節感はやはり「※1梅一輪ほどの」とか「※2風の音にぞ」といった、微小感覚のものであり、大きく見渡すといったところで、「※3柳桜をこきまぜて」という程度なのであって、巨視的に、日本列島全体を見下ろすスケールは、どうにも花見のさまでないと思う。 

 つまるところ、昔からある「花便り」のほうが、はるかに風情に富むのである。「つぼみふくらむ」「ちらちら咲き」「八分咲き」「散り初め」「落花盛
ん」「散り果て」。花便りの言葉も、微小感覚を表し分けて、まことに風情に富んでいる。 

 ところが、散り初めのころのある日、枝を離れた花びらを見ていて、これが地面に達するまでのあいだの状態を、ぴたりと表す言葉がないのに気がついた
。風が一斉に散らす花には、「花吹雪」「散り交う」という言葉がある。 

 私にも似た話がある。私がきれいだと思う物は、・空・コスモス・梅の花・桜の花びら・雲・富士山・太陽・初日の出・星・天使などなどがある。もっと
きれいなものがあるかもしれない。 

 言葉には、表せないものだってあるものだな、と言うことが分かった。
 

 
 

 
                       
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