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清書:切磋琢磨
アジサイ
の
峰
の広場
眠雨
/
うき
高2
近年、日本では、人間関係が稀薄になっていると言われる。物資は豊かになり、世も落ち着き出した今、我々は人間関係の築き方を再度学びなおすべきで
はないだろうか。
では、なぜ他者とのさまざまな結びつきが薄まっていったのだろうか。原因としては、人が不誠実になった、というのが挙げられる。大戦中の混乱期から
高々度の経済成長を通るころに、自らの利益のために他者を切り捨てるという理念が少しずつ根づいていった。そしてそれを警戒するためにまた人間を取り
巻く盾はもう一枚増える。例えば「防衛のため」にライターやナイフを忍ばせる外的に敏感な子供が増えていることは、今日の問題のひとつである。
確かに文化的な素養は閉鎖的な人間関係で高められるものもある。しかし新たなものの見方や考え方にぶつかることによって自分の考え方を成長させてい
くというのは、予想外の反応が返る他者との関係においてのみである。互いを削り合いながらもよりよくなっていく、切磋琢磨のかたちがそこにある。我々
は人と人との関わりを、もう一度信じてみるべきではないだろうか。
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