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ボランティア活動の普及 アジサイの広場
太公望うの高2

 日本人には、ボランティア精神が稀薄で、ボランティアのシステムを社会的に定着させるのは困難ではないかとの意見がある。しかし、阪神大震
災などの大規模の災害において多くの人がボランティアとして被災地に向かった。年齢層も10代後半からという若い世代から成人までという幅広 いものだった。日本人にはボランティア精神が稀薄であるわけではない。むしろボランティア精神が高いといっていいはずだ。しかし、日常の生活 においてボランティア活動は中々行なわれていない。つまり生活基盤にボランティア活動が定着していないといえる。この原因は色々と考えられる  

 原因の一つとしてボランティア活動を行なう具体的な組織が少ない事である。個人個人が活動するボランティアではなくある程度の人数が集まっ
たグループのボランティアは、日本においては組織されにくい。その理由は組織を立ちあげるリーダー的な人物がいないことだ。日本人は自分から 何かを始めるという意識が低い。これは民族的なものであるから仕方ないかもしれないがそのままでもいいわけではない。ボランティア活動は道徳 意識を伸ばす可能性があるものとして注目されている。そのため政府が学校に「奉仕活動の義務化」を取り入れるようにしようと考えた。政府は「 奉仕活動」と「義務化」が矛盾しているということを考えずにただ奉仕活動を国民に促しているだけである。政府がこのようなことを考えた理由は少 年犯罪増加もそうだが、他国に比べ日本にボランティア活動の基盤が定着していないという危機感があったのであろう。  

 もう一つの理由としてみんなと協力してボランティア活動を行なおうという雰囲気になりにくい社会である。今の日本は、近所同士の付き合いが
減り新築マンションにおいては隣人が誰だか分からないとも言われている。集団意識が無くなってきている。日本は、急成長して発展した国であり 一日三食の飯と寝る場所、衣服に困らない時代であるし物量的にも豊かになった。そのため日本人が共同してなにか大きな目標に向かっていくとい うことが無くなった。日本にやるべき事はたくさんあるのだがそれは見えにくく複雑になってきている。この問題が日本人に日常的ボランティア活 動の意識を植えつかせる最初の一歩を阻害しているのである。  

 とは言っても、新たにボランティア組織は生まれている。東京や横浜に「ガーディアンエンジェルス」という組織ができたとニュースで報道され
ていた。この組織を構成しているのは若い世代で主な活動は町の清掃活動、見回り、トラブル処理などだそうだ。この組織の立ち上げの理由は「こ の町を良くしたい」という理由などで自主的なものである。つまり一人一人に自主性というものがあればいくらでもボランティア活動は行なえるの だと思う。今は、それを始める一歩が困難なのであって一歩踏み出せばどんどんボランティア活動は広がると思う。これから大事なのはボランティ ア活動を強制的に行なわせるのでなくそれを自ら進んで行なえるような気持ちが生まれるような教育が必要なのではないか。その教育が行なわれれ ばボランティア活動以外でもいい効果が期待できるはずだ。  

 
                                                 
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