理解する種 |
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ペー吉 | / | うき | 中3 |
生物界の中の人という種は、他の大型哺乳類とはかなり異なる。武器になる |
牙や爪もなく、発達した知覚能力もない。こうした限られた環境下で繁殖しう |
る能力を持つかわりに、生まれつきの行動の仕組みが少なく、雑食性であり、 |
様々な環境に適応できる。特殊化によって進化したのでなく、柔軟性が主に進 |
化してきたのだ。さらに、人は他人の経験や知識などを聞き、その経験を摂取 |
することもできる。人は上情報の体系をもつことによって進歩し、繁栄してき |
たのだ。 |
生まれついての能力というか、種としての特長に欠ける人間がもつ武器とは |
、いわゆる「成長する」ということだと思う。様々な環境下で、人は学習し、 |
確実に成長していく。私は、生まれた時はそれこそ言葉も喋れない赤ん坊だっ |
た。文字も書けず、歩くこともできない。ところが、日本という国で成長し、 |
今の家庭という環境で育った結果、こうして長い文章を書き、パソコンを扱い |
、歩いたり、走ったりできるようになった。“私自身”という、一人の人間の |
成長の結果が、こうした人間の特長を証明しているといえよう。人は学習する |
種であり、適応する種なのだ。 |
先日、テレビでチンパンジーにウェイターをやらせてみるという企画を見た |
。そのチンパンジーはずいぶん長く訓練を受けているようだが、それえも客へ |
の対応は滅茶苦茶であった。これが、人間ならばどうだろう。アルバイトに雇 |
った女の子(いや、別に男の子でもいいが)は、簡単なマニュアルの指導を受 |
ければ、手際は悪くとも一応一通りこなせる。アルバイトの人間を実際に使え |
るようにするまでに、何ケ月も欠けて教育するという話は聞かない。これは、 |
人間が適応する、学習する種であると証明している。 |
「艱難汝を玉にす」「可愛い子には旅をさせよ」「学びて時にこれを習う。 |
またよろこばしからずや」。すべて、人間は学習する種であるということを証 |
明している言葉だ。人間は学習によって知識を得る。しかし、知識を得るだけ |
ではいけない。ためこんだ知識は、借り物である。それを自分なりに「理解」 |
し、「応用」する。そんな、学習した知識を統べる、知恵の輝きもまた大切で |
ある。人間は誰もが学習する力をもっている。そこまでは、皆が持っている当 |
然の力なのだ。そのスタート地点からリードする方法は、正しい知識を、正し |
い知恵で理解することである。人間は学習する種であるが、学習に流されては |
いけないと思う。 |