一寸の秋の虫 |
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「リーリーリーリー」 「ガチャガチャ」と、夜になると秋の虫が絶えず鳴く |
。う~ん。今日の虫の声は最高だなぁ。音楽にはまったくといっていいほど興 |
味がない僕でさえも、こんな時だけは、音楽のロマンチストになってしまう。 |
僕も虫がいい(笑)。リビングにいては、聞こえないささやかな虫の鳴き声も |
、僕の部屋にいると大きな大きな音楽が聞こえてくる。だから、僕は勉強や宿 |
題を夜、自分の部屋でやったらどんなに落ち着くだろうかと思う。あのすばら |
しい芸術を聞けるのだから。 |
僕は、秋になると必ずといっていいほど、近くの公園バッタ取りをする。そ |
うすると、たまーにエンマコオロギが取れたり、コカマキリ、ハラビレカマキ |
リ、オオカマキリなどがいる。一番思い出に残っているのは、僕が、エンマコ |
オロギに出会ったことだ。草を蹴っていたら、バッタが出てきた。後ろの方で |
も、草がガサゴソいっている。よしといわんばかりに僕はガサゴソいっている |
草の所に飛びついた。おそるおそる手の中をのぞいて見る。エンマコオロギだ |
った。僕の手のひらに、ちょこんとのっている。顔をのぞいてみる。とっても |
愛くるしくて、かわいい。じっくりのぞいて見る。かわいい。しかし、ある事 |
にきずいた。なんだか、名前の通りに、エンマ様のような、威風堂々といった |
感じの顔をしている。でも、またそれがあるからコオロギの顔はいいのかもし |
れない。 |
僕は、少々古びた図鑑を取り出し、昆虫の所を見ていた。カマキリのページ |
は、おもしろい。保護色を多く使う「コカマキリ」腹の色が赤っぽい「ハラビ |
レカマキリ」とにかく大きい「オオカマキリ」カマキリの種類にも、いろいろ |
あるのが分かる。でも、僕がカマキリのなかですごいと思うのは、「ハナカマ |
キリ」や、「葉カマキリ」といった、保護色を多く使う海外のカマキリだ。そ |
んなカマキリと、ぜひ出会ってみたい。 |
「一寸の虫にも五分の魂」という言葉があるように、コオロギや、クツワム |
シ、アオマツムシなどの虫は、子孫を残すために鳴き、がんばっている。他の |
虫にも同じ事がいえる。だから、そんな一寸の虫たちのために、環境を良くし |
て、自然を残したいと思う。そして、いつの日かハナカマキリや葉カマキリに |
出会ってみたいと思っている。。一寸の秋の虫は、頑張って鳴いて、子孫を残 |
すことに、専念していることがわかった。だから、僕たち人間も、虫たちに負 |
けないように、頑張って生きてみたいと思う。 |