ロバと旅 |
アジサイ | の | 峰 | の広場 |
T.O | / | いう | 高2 |
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元から行動の遅いロバが、旅をしてきたからといって馬になって帰ってくるよ |
うなことは有り得ない。同様に、何の目的のない人がどんなに遠いところへ旅 |
したとしても、その人の人格などに変化はない。それどころか旅行を自慢のタ |
ネにする人までいるのは何とも言えない。大切なのは自分自身を変えることな |
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人間に限らず、外面だけ変えても結局内面の変化には結びつかないが、私たち |
はなにかと着飾ったりすることにばかり執着してしまうし、実際にそうでもし |
ないと人前に出ることが恥ずかしいとさえ思ってしまう。例えば、どこかに出 |
かけるときには必ず普段とは違った服装をするし、しなければならないとも思 |
っている。こういったことは、私たちが普段から外面からの印象しか気にして |
いないことが原因であると思う。また、中身が大切とはわかっていても、大半 |
の人が外面の印象を気にしているためにそこから外れないようにするためにそ |
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行きたい旅行先のランクの上位にスイスやフランス、その他にスペインなどの |
ヨーロッパ地方の国が入っているが、それらの国は景観の美しい国と想像され |
るところばかりであるし、それらの国に行ってきたということはそれだけでも |
十分人々の関心を買うことができる。しかし、どんなことをしてきたのかと尋 |
ねられたら大概の人はただ買い物目的だったなどとは答えられず、回答に迷っ |
てしまう。他人からの目にばかり振り回されるのではなく、自分の行動に自信 |
を持つべきであり、そうできるようはっきりとした目的を持って生きるべきで |
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外面もある程度しっかりしていないと、社会は受け入れてはくれないので外面 |
を整えることももちろん大事である。ただそこばかり気にしていては、肝心の |
人間性の成長がおろそかになってしまう。それに長い社会生活を送ってゆくう |
ちに人間の価値判断は第一印象から、その人の人間性へと移り変わってゆくの |
だから、必要以上に外見にこだわることはないのである。「他人から尊重され |
るためには、まず自分で自分を尊重できなければならない」というように、他 |
人に認められるためには自分を磨くことを忘れず、その上で自分に自信を持つ |