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恩師、シーダー先生
ウグイスの広場
がっちゃんてな中2
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 百年以上家具を使ったという例は別にめずらしくはない。使い方さえ間違え
なければ、家具にとって百年というのは、むしろ短い時間と言える。最悪の場
合でも、無垢の天然木を使っていれば、ほんの少し修理したらまた使える。こ
うしてみると、無垢の天然木を使った質の高い家具を百年使うとなれば、それ
は車や家電製品より何倍も安く、かつ生活を快適にするのに効果があるという
ことが納得できる。
 
 私が小学生の時、塾の国語のシーダー先生が、口が酸っぱくなるほど言って
いたことがある。「漢字は毎日コツコツ練習しなきゃいけないんだよ。大きく
なったら困るからね」みんなそう言われてもそんなに気にはとめず、漢字テス
トの前日に何回か練習していた。私の塾では、漢字テストで満点をとると、ス
タンプが1つもらえ、それがたまるとノートや鉛筆と交換できるようになって
いた。前の日に練習したのだから、やった漢字を忘れることもなく、大体全員
が満点を取っていた。みんな、スタンプをもらって、「わー、あと☆個でノー
トがもらえるよ!」等といって自慢したものだ。これは私が五年生だった時の
話である。
 
 それから四年ぐらい経った。シーダー先生は平塚の塾に行ってしまい、私は
もうすぐ中三になる。ついこの間、国語で「五年生の漢字テスト」をやった。
シーダー先生の時の漢字だ。「私たちは五年生のとき、漢字で満点ばかり取っ
ていたんだ。五年生の漢字なんか楽勝楽勝!!」そんなふうに思いながら、テ
ストに臨んだ。結果、みんなの出来は思わしくなかった。シーダー先生の時に
死ぬほどやった漢字なのに、ほとんどの生徒がやったことを忘れてしまってい
たのだ。このときはじめて「毎日コツコツ」の意味が分かった。五年生の時の
満点は、その時だけの幸せだったのである。
 
 「サルカニ合戦」という昔話がある。私はこの話をよく知らないが、猿が柿
の種を、カニはおむすびををそれぞれ交換したのである。(したようだ。)数
年後、カニは柿の種を植えたので木が生え、たくさんの柿がなった。一方、サ
ルはおなかが空いて死にそうになった。これは私の漢字の話にをよく似ている
 
 毎日コツコツ練習して満点を取るのと、前日だけ何回か練習して満点を取る
のとなら、毎日練習したほうがいいのは明白だ。しかし、「練習しなさい」と
いわれて素直に練習するのなら何の問題もない。大事なのは、実行するかしな
いかだ。