言葉の森では、生徒の希望によるオプションで暗唱の自習に取り組んでいます。オプション制にしているのは、家庭での勉強状況に個人差があるからです。
暗唱には、しやすい年齢と、しにくい年齢とがあるようです。
小学校1年生から3年生にかけては、暗唱がすぐできます。この時期が、ちょうど6歳から8歳の日本語脳の形成臨界期とほぼ一致しているところに何らかの理由がありそうです。
小学校6年生あたりから次第に暗唱がしにくくなり、中学生になるとどの子もかなり暗唱に苦労するようになります。
しかし、小学校5、6年生や中学生でもしっかり暗唱ができる子もいるので、学年が上がると暗唱がしにくくなるというのは単に毎日の家庭学習の時間が取れなくなるためかもしれません。
小学校高学年の生徒や中学生以上の生徒が暗唱の学習を続けるためには、早朝の時間10分間を活用する必要があるように思います。
さて、生徒が1週間で300字の文章を暗唱すると、担当の先生が毎週の電話の時間に暗唱チェックをします。300字のチェックで1分ぐらいしかからないので、これはあまり問題がありません。
しかし、1週目、2週目、3週目と300字の暗唱が続いて、4週目にそれまでの文章を全部つなげて900字の暗唱をチェックするときが大変です。
毎日10分の暗唱練習をちゃんとやっている子であれば2、3分で一気に暗唱できますが、ちゃんとやっていない子は途中で止まったり考えたりしてしまいます。すると、担当の先生が暗唱を聞いている時間が長くなってしまうこともあり、その後の指導の時間が短くなってしまいます。
そこで現在、この900字の暗唱については、暗唱力検定のような形で、毎週の授業とは別にチェックする機会を設けることを検討しています。
暗唱力検定は、1ヶ月の間のある期間と時間帯に限って、電話で受け付けるようにする予定です。その時間帯に生徒から事務局に電話が来たら、事務局がその場でチェックをしてもいいですし、また全国の講師で手の空いている人がふりかえ授業のような形でチェックすることもできます。
暗唱力検定のチェックは、時間が3分以内、ミスが3ヶ所以内などと決めておけばスムーズにできます。暗唱力検定に合格した人には、賞状を渡します。
これまでの経験で、半年間ぐらい暗唱の学習をしていると頭の仕組みがよくなるようなので、暗唱力検定に6回合格することを一つの目標としてもらいます。
電話によるチェックなので、ごまかすことができるという問題を心配する人もいるかもしれません。このことについては、保護者にも電話の場所に一緒にいてもらうという方法も取れなくはありませんが、基本的には生徒に対する信頼に任せたいと思います。
この暗唱力検定が軌道に乗れば、毎週の300字のチェックも必ずしも担当の先生がする必要がなくなります。読書の記録と同じように、本人に今の練習状況を確認すればそれで済むようになると思います。