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 実力をつけるためのわかりやすい自習(その2)―読書の習慣をつける Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
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実力をつけるためのわかりやすい自習(その2)―読書の習慣をつける as/1066.html
森川林 2010/11/06 11:42 



 第二の自習は、読書です。

 読書は毎日を読むのがコツです。毎日読むことによって読書の習慣がつきます。

 逆に、何日か読まない日が続くと、読まない習慣ができてしまいます。中学生ぐらいになると、本を読む子と読まない子がだんだん分かれてくるのはこのためです。

 言葉の森では、以前、読書は毎日50ページ以上(又は小学生の学年の10倍ページ以上)としていました。しかし、そのページだとなかなか読めない子もいたので、ハードルを低くするために、現在は毎日10ページ以上は必ず読むこととしています。

 勉強は、時間よりも分量を目標にしたほうが、子供は集中して取り組みます。1時間勉強するという目標にすると、1時間だらだらやるような勉強の仕方になりがちです。しかし、何ページ分勉強するということを目標にすると、早くその目標まで仕上げようと集中して取り組むようになります。

 ところが、その目標のページ数が終わったときに、時間がかなり早く済んだとしても、決して追加の勉強はさせずに、最初に決めた目標までの分量で終わりにすることが大事です。

 子供が小さくて親のいうことをよく聞くころには、親はつい、目標のページ数が早く終わったときに、「そんなに早く終わるんだったら、これも」と、追加の勉強をさせてしまうことがあります。そういうことが一度でもあると、子供は次からは、集中してやるよりも、時間をだらだらと過ごしてやることを覚えるようになってしまいます。

 さて、読む本の基準は、本人の好きな本であれば何でもよいとします。大事なのは、毎日読むことで、毎日好きな本を読んでいるうちに、だんだんと本の選び方がわかってきます。

 ただし、絵のスペースの方が字のスペースよりも大きい本は、読むのはもちろんかまいませんが、読書とは呼ばないと決めておきます。例えば、漫画、学習漫画、絵本、図鑑、雑誌などです。なぜかというと、そういう本ばかり読む子は、文章を読むのではなく絵を眺めているだけということも多いからです。

 読書とは、文章を通して物事を理解することですから、絵を通して理解するのは、もともとの意味の読書とは考えないということです。

 親が、子供にもう少し難しい本を読んでほしいと思うときは、お母さんやお父さんがそういう本を読み聞かせで読んであげるようにします。

 読み聞かせも、読書と同じ効果があります。それは、読み聞かせは、文章を通して物事を理解することだからです。子供が自分で読む場合は目から読む文章を通して、読み聞かせの場合は耳から聞く文章を通して理解するということです。

 読み聞かせで読んでいると、その本が終わるころに、子供が興味を持って自分で続きを読むということがよくあります。そのためには、読み聞かせの雰囲気をできるだけ楽しいものにすることが大事です。

 子供に読書をさせるために、読書の記録をつけたり冊数のグラフをつけたりする方法があります。しかし、そういう方法を使うと、かえってその記録やグラフ自体が目的のようになってしまうことがあります。読書の方法というものは、本の好きな子にとってはわずらわしいものなので、最初のきっかけ作りぐらいにとどめておく方がいいと思います。

 先生や親がときどき、子供たちに、「何の本を読んでいる?」「どこまで読んだ?」ということを聞くだけでも、読書をする意欲につながります。

 本を読むときに、読み終えたところまで付箋を貼っておくというのはいい方法です。付箋を貼っておくと、外から見てもどこまで読んだのかがわかります。

 付箋を貼ることによって、数冊の本を並行して読んでいくことができるようになります。

 大人でも子供でも、何かの本を1冊を読んでいる途中で、ほかの本を読んではいけないというような思い込みをしている人がいます。しかし、読書は、何冊もの本を並行して読んでいく方が、ページ数がはかどることが多いのです。

 どんなに面白い本でも、同じ本をずっと読んでいると飽きてきます。飽きてきたと思ったら、そこに付箋を貼っていったん終わりにして、別の本を読みます。そのように、次から次へと読んでいくと、1冊の本をずっと続けて読むよりも全体のページ数が増えます。

 言葉の森では、今後の読書の自習として、担当の先生が毎週、今読んでいる本の書名とページ数を聞くというような形を取りたいと思っています。



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