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読書のすすめ―本を読まない子に読ませるには as/1170.html
森川林 2011/02/15 18:24 
修 削


 「今日は、何の本を読んだ」と先生が聞くと、生徒が、「この本を130ページまで読みました」などと本を見せます。

 通学教室では、しばらく前から、教室に来るときに読んでいる本を持ってくるようにさせています。最初は、「読んでいない」などと言って手ぶらで来た子も、毎週先生が聞くので、自然に本を持ってくるようになりました。

 持ってきた本をもとに先生と話をするので、ただ持ってくるだけでなくその本を自然に読むようになります。このようにして、かなりの子が、本を読む習慣をつけいます。



 今の社会では、本をよく読む子と、あまり読まない子が二極分化しているようです。

 読書は、家庭でするものなので、家庭での読書の位置づけが子供の読書量を大きく左右します。本を読まない子には二通りあり、ひとつはテレビやゲームの時間が長いために落ち着いて本を読む時間がとれない子です。もうひとつは、勉強が忙しくて本を読む時間がとれない子です。

 勉強が忙しくて本が読めないというのは、不思議な感じもしますが、事情を聞くとやむをえない面があるようです。それは、習い事に行く日が多いために、夕方から夜にかけての時間に余裕がないからです。そのため、家庭で学校の宿題などをやると、もうほかのことをする時間がなくなってしまいます。その結果、本を読まなくなるのです。

 読書というのは、毎日の習慣によって読むことが面白くなります。だから、本を読む子は、毎日読んでいます。1週間に2日や3日だけ読むというような読み方では、読む面白さが味わえないので、読書が進みません。1日10ページでもいいから何しろ毎日読むようにするという習慣づけが大事です。



 読書力と作文力には、きわめて高い相関があります。本を読んでいる子は、語彙力があるので、同じことを書く場合でもセンスのいい表現を使って書こうとします。上手に書きたいという意識があるので、書いた作文にも自然に愛着がわきます。だから、書くことが楽しい勉強になります。苦しいけれど楽しいという勉強になるのです。

 また、読書力と国語力にも、きわめて高い相関があります。よく、読書をしても国語力はつかないなどという人がいますが、それは短期間の付け焼刃的な読書の場合です。

 読書力と国語力の相関が高いということは、読書の好きな子の場合にはほぼ例外なくあてはまります。また、もし読書が好きで国語の成績が悪いという場合でも、そういう子は解き方のコツを少し教えただけですぐに成績が上がります。国語の成績は、その子の読書力の範囲まではすぐに伸びます。逆に、読書力の限界があると、いくら国語の勉強をしても成績はそれ以上上がらないのです。



 では、読書をするにはどうしたらいいのでしょうか。読書をほとんどしない子に本を読ませる方法を3つ挙げます。

 第一は、毎日必ず10ページ以上読むということです。10ページであれば、気楽に始められます。そして、本には人を引きつける力がありますから、いつか面白い本に出合うと10ページで終わらずにずっと続けて読むようになります。そのようにたくさん読んだときに、大いに褒めてあげます。この褒め言葉が大事で、さらりと、「○○ちゃんよく本を読むね」とか「本が好きなんだね」とか言ってあげるだけでいいのです。本を読んでいないときに、「本を読みなさい」と言われてもうれしくも何ともありませんが、自分が本を読んでいるときに、「本が好きなんだね」と言ってもらうと子供はうれしくなって、もっと本を読むようになります。

 第二は、口で言うだけでなく必ず実行させるということです。親の言うことをきかない子供になるのは、親が口で言うだけにしているからです。例えば、「ちゃんと本を読んでおきなさいよ」「はあい」というような言い方をしていると、子供は親の言うことをきかなくなります。いったん言うことをきかない子供になると、それをあとから直すのは大変です。読書を確実に実行させるためには、子供に読むように言うだけでなく、その時間は家族全員で本を読むというように決めてもいいと思います。

 第三は、はかどらない本がある場合は、ほかの本と並行して読むということです。本の中には、その子にとって興味がわかなかったり難しすぎたりするものがあります。本を読むのが苦手な子は、そういうとき、いつまでもその本にこだわり、その本が終わらないと次の本に進めないという状態になります。そういう状態で読む本は、子供にとって苦痛でしかありません。なかなか読めないときは、もっと面白そうなほかの本を先によみ、それと並行して読めない本もついでに読むというようにします。もちろん、そのまま面白い本だけを読むようにしてもかまいません。



 ときどき、どんな本を読んだらよいかという質問があります。どの子も楽しく読める良書というものも確かにありますが、そういうおすすめの本を探して読もうとしていると、かえって読書量は増えません。

 日本における小学生の読書環境は充実しています。読む本は、図書館や書店に置いてある本の中から選べばいいのです。エジソンは、図書館にある本を端から順に読んでいったそうです。そこまでする必要はありませんが、読書には当たりもはずれもあるという気持ちで、貪欲に読んでいけばいいのです。



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