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「桃太郎」を例にした感想文の書き方 as/1314.html
森川林 2011/07/21 17:29 
修 削



 みんながよく知っている「桃太郎」を読んで感想文を書く練習です。このような形で書いていけば、読書感想文は簡単です。

 感想文のコツは、似た話を長く書くことです。1日に書く分量を400字ぐらいにしておき、3日か4日で全部仕上げるようにすれば負担がありません。

 以下は、小学校5、6年生ぐらいで書く感想文の例です。

▼1日目

 緑の山と青い川、桃太郎が生まれたのは、こんな自然の豊かな村だった。しかし、その村は、毎年来る鬼のためにとても貧しい村だった。(情景などがわかるようにして書き出しを工夫する)

 ある日、いつものように、おばあさんが川で洗濯をしていた。すると、川上から大きな桃がドンブラコッコ、ドンブラコッコと流れてきた。(物語の序盤から引用する)

 ぼくは、一年生のころ、父と母と弟でキャンプに行った。キャンプ場には、きれいな川があり、その川の近くでぼくたちはバーベキューをした。食べたあとのお皿を洗うと、川の流れがすぐに汚れを運んでくれる。ぼくは、昔の人はこんなふうに川で洗濯をしたのかなあと思った。(自分自身の体験を書く)

 さて、その川のキャンプでのいちばんの思い出は、冷やしておいたスイカがいつの間にか流されてしまったことだ。夜冷やしておいて、次の日に食べようと思っていたスイカが、朝起きてみるとなかった。一緒に冷やしておいた父のビールはそのまま残っていたので、たぶん夜のうちに川に流れていってしまったのだろう。

 ぼくは、ふと、桃太郎の生まれた桃も、上流でだれかが冷やしておいたのではないかという気がしてきた。(この感想は主題に関係なくてもOK)

▼2日目

 桃から生まれた桃太郎は、一杯食べると一杯分、二杯食べると二杯分大きくなった。しかし、桃太郎はいつまでも食べては寝るだけで何もしようとしなかった。(物語の中盤から引用する)

 ぼくの小さかったころの話を、父と母に聞いたことがある。最初三千グラムで生まれたぼくは、一年たつころには、もうその三倍の十キログラム近くになっていたそうだ。ぼくの今の体重は三十五キログラムなので、生まれたときの約十倍になっている。そんなに大きくなるまで何杯ご飯を食べたかはわからないが、たぶん最初のころの桃太郎と同じようにぐんぐん大きくなっていったのだろう。(身近な人に取材する)

 母に聞くと、ぼくは小さいころ、自分から言葉をしゃべろうとせず、まるでお地蔵さんのようにいつもにこにこ人の話を聞いているだけだったそうだ(「まるで」という比喩は文章を個性的にする)。母は、そのことを少し心配していたらしい。たぶん、そのときの母の気持ちは、いつまでも食べて寝るだけの桃太郎を見ておじいさんやおばあさんが感じた気持ちと同じではなかったかという気がする(「たぶん」という推測は自然と感想になる)。

▼3日目

 やがて成長した桃太郎は、犬と猿とキジを連れて鬼を退治に出かけた。犬は噛み付き、猿は引っかき、キジは目を突っつき、桃太郎は鬼を投げ飛ばした。(物語の終盤から引用する)

 ぼくは、この戦いぶりを見て、ふとぼくたちのサッカーチームを思い出した。サッカーには、もちろん、噛み付きや引っかきはない。まして目を突っついたりしたらすぐに退場だ。しかし、足の速い次郎君、シュート力のある和田君、ピンチのときでもみんなを笑わせるケンちゃんなど、ぼくたちのチームは、それぞれの得意なところを生かす点で桃太郎のチームと似ているのではないかと思った。

 このことを父に話すと、父は、こんなことを言った。

「桃太郎がいなかったら、鬼には勝てなかったけど、桃太郎が四人いても、やはり鬼には勝てなかっただろうなあ」(長い会話をそのまま書くと味が出る)

 ぼくは最初、桃太郎だけが主人公で犬や猿やキジは脇役だと思っていたが、次第に全員がそれぞれの役割で主人公なのだと思うようになった。どうしてかというと、みんなそれぞれの長所があり、その長所でお互いの短所を補い合っているからだ(「どうしてかというと」などの接続語を使うと感想も長くできる)。(結びは、本の主題に関する感想を書く)

▼4日目

 鬼を退治し、宝物を持って村に帰った桃太郎は、それからどうしただろうか。きっと、もう鬼の来ない平和な村で、豊かな自然に囲まれて楽しく過ごしたにちがいない。おばあさんが洗濯をしているきれいな川の横で、犬や猿とキジと水遊びをしている桃太郎の姿が思い浮かぶ。(書き出しと結びを対応させる)

 いま、ぼくたちの街に、桃太郎が戦うような鬼はいない。しかし、ぼくたちの街には、桃太郎が暮らしていた緑の山や青い川もない。もし、桃太郎がいまここにいたら、人間にとって戦う相手は鬼ではなく、きれいな自然を取り戻すことになるかもしれない。そして、その桃太郎とは、たぶんこれからのぼくたちなのだ。(「人間」という大きい立場で考え、自分のこれからの行動に結びつける)



コメント欄

本好きん 2011年7月24日 0時42分  ▽
なるほど、こんな感想文を書いたら、先生方やPTAのご父兄はいたく感心されるに違いないし、受験戦争にも勝てそうだ、というのが私のこの感想文を読んだ感想だ。

だが、そこで私は自問する。待てよ、本当に子供がこんな「感想」を持つであろうか?もちろん、それをおわかりの上で、受験戦争を勝ち抜くためにも、このように書けば万人受けするよということ出紹介されているのだろうが、ちょっとひねくれた子供だった私にはどうも納得がいかないのだ。

私が子供の頃、この物語を聞いて最初に思ったことは、「きじやさるや犬たちは、あんなおっかない鬼と戦うのに、キビ団子しかもらえなくてもいいのかな?強い鬼と戦ったらお供の動物が死ぬかもしれないのに、桃太郎は動物たちにお団子ひとつしかあげないなんて・・・。物語では桃太郎はヒーローみたいだけど、私から見ると桃太郎はひどい!人間って、知恵があるのって、ずるい!私だったら絶対桃太郎についていかない!」というものだった。(大人になった今も、この感想はあまり変わらない。)

まあ、こんな感想文書く子は受験に成功するはずはありませんが、感想文って思ったことを書くものであって、100人いたら100人全く違う考えがあってもいいものだと思うのですがね。





森川林 2011年7月24日 11時51分  ▽
 そういう見方も、もちろんあります。
 私は、当然そういうアプローチで書いたものを認めます。自分らしいものの見方、考え方をしている子は、その個性を伸ばしていくようにすすめます。
 しかし、最初の出発点はそうではないのです。
 子供たちは、もっと単純に明るいもの美しいもの肯定的なものが好きです。
 しかし、肯定的なものから出発しても、そこには必ず暗い面やうその面があります。それに気がついて、ものの見方は次第に複雑になっていくのですが、大人がその暗い見方やうその見方を最初に教えるものではありません。
 本好きんさんの見方は、ひとつの貴重な個性ですが、多くの人はそういう感想文の書き方を参考として載せてほしいとは思わないでしょう。
 本当は、このサンプルでいろいろな見方の例を書いてもよかったのですが、それでは話が複雑になって何を言いたいのかわからなくなるので、シンプルな例を載せたのです。

ジャスミン・リリー 2014年8月7日 14時37分  ▽
こんな、感想文があるなんて、さすが日本!次は、この桃太郎の題名を教えて欲しいです!

Corosatiko 2014年8月19日 9時51分  ▽
とてもためになり夏休みの宿題の感想文の参考になりま〜す

ハイタカ 2015年8月19日 17時10分  ▽
凄くいい感想文でした。

匿名 2015年8月30日 22時26分  ▽
ためになった

はーたん 2017年12月20日 21時6分  ▽
上手い


匿名 2018年8月18日 11時20分  ▽
夏休みの宿題の感想文にしたい

匿名 2024年8月15日 10時26分  ▽
役に立った

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「桃太郎」を例にした感想文の書き方 森川林 20110721 に対するコメント

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