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 文系の感想文、理系の感想文 言葉の森 | 作文国語教室【公式】
 
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文系の感想文、理系の感想文 as/1594.html
森川林 2012/08/22 19:18 
修 削


 「鶴の恩返し」という民話があります。言葉の森の「作文、読書感想文のテクニック」の中には、この話をもとにした感想文の書き方を説明した例が載っています。

 この例を見て、「『鶴の恩返し』とこんなふうに読むなんて……」と思った人もいると思います。

 読書の経験は感動の経験ですから、自分の感動と違う読み方を見れば、違和感を感じるのは当然です。


 物事のとらえ方は人によって様々に異なりますが、大きく分けて理系的な物の見方と、文系的な物の見方があると思います。

 言葉の森の作文指導の骨格は、かなり理系的なものです。工学的と言ってもいいかもしれません。

 まず大きな枠組みを作り、その中に何を盛り込んでいくかを考えます。このような書き方の利点は、誰でもある水準までは必ず書けるようになるということです。苦手な子でも、苦手なりに形のある文章を書くことができます。得意な子は、その形の中に、自分らしい表現や題材や主題を入れるように工夫することができます。


 一方、文系的な書き方は、感動を出発点としています。感動をひとつの核として、そこから少しずつ芽が出て葉を広げてゆくような書き方が文系的な書き方です。

 そういう書き方でいい文章を書く子はたくさんいると思います。しかし、この書き方では、書き出せない子供たちもまたたくさんいるのです。

 国語の苦手な子のひとつの原因は、先生の感動についていけないということがあります。国語の授業中、「自分はそんなふうに思わないのになあ」と思いながら先生の話を聞いている子もいるのです。

 だから、逆に、先生の感動を自分の感動と一致したものとして感じる子は、その先生によって国語が得意になります。しかし、それは先生と生徒の出会いであって、国語の勉強というものではありません。


 言葉の森の出発点は、「作文」のように曖昧でとらえにくく、客観的な評価がしにくく、指導に名人芸が必要であると思われていた勉強に、論理の枠組みを与えることにありました。

 そして、その方法は一定の成果をおさめ、独自の作文の指導の仕方として定着してきました。


 だから、これからは、言葉の森の指導に、文系的な要素も取り入れていきたいと思っています。しかし、それは、出発点を文系にすることではありません。出発点は、理系の合理的な説明の方が子供たちにより早く理解できるからです。

 文系の要素は、出発点ではなく到着点で生かしていく予定です。そのひとつが、例えば発表会です。作文の発表を通して、その子がその作文の中で、何のどこに感動したかということが伝わります。その感動が、ほかの人の感動を呼び、その感動が動機となって作文の書き方が進化していくのです。


 理系の書き方の利点を生かしながら、その書き方が枠組みの指導だけで終わらないような文系的な中身のある発表会を企画していきたいと思っています。



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