子供が小学校低学年のころは、勉強法も何もありません。どんな教材でもよいので、ただやれば実力はつきます。
計算練習でも、漢字書き取りでも、誰に教えてもらっても、どの教材でやっても、どのようなやり方でやっても大差はありません。
問題は、小学校中学年のやや複雑な問題をやるようになってからです。このころから、勉強法の差が出てきます。
更に、小学校高学年になり、入試問題の一部をやるようになると、もう勉強時間の長さよりも、勉強法の差の方がずっと大きくなります。これが、そのまま、中学、高校と続いていくのです。
成績のよい子というのは、家庭でよい勉強法の習慣がついている子なのです。
では、そのよい勉強法というのは、どういうものでしょうか。
第一は、明るく楽しく勉強することです。叱られたり注意されたりしながら、暗く真面目に長時間勉強していてはだめです。
第二は、1冊の教材を徹底して(というのは繰り返し5回ぐらい読んで)、その内容を百パーセント自分のものにすることです。
第三は、問題は解くことに力を入れるのではなく、答えを読むことに力を入れることです。その方が何倍も能率のよい勉強になります。
第四は、同じことを同じように毎日やることです。日によって気分を変えて目新しいことをするというのは、かえって身につきません。
第五は、基本となる「読書」「算数」「国語」(中学生なら「英語」も)に絞って勉強することです。
第六は、その基本の勉強と並行して、将来大事になる「作文」に力を入れることです。
そして、最後に、勉強が終わったあとは、よいところを必ず褒めてあげることです。
「もう少し字をていねいに書かないと」などという注意は、決して言わないことです。
注意して直るぐらいなら、世の中にいる子は、みんな天才になっています。先生が注意しても、親が注意しても、誰が注意しても直らないから、今の状態になっているのです。
直すよりも、今できているよいところを伸ばすのが先です。よいところを伸ばしていけば、悪いところはそのうち気にならなくなってきます。
ところで以上のことは、文章を読んだだけではなかなか実行できません。
勉強の方法というのは、習慣化されているので、これまでのやり方を変えるというのはかなり難しいのです。
では、どうしたらよいかというと、実際に、よい勉強法で勉強している子のやり方を見ることです。
その勉強法を、これから言葉の森で広げていきたいと思っています。