ログイン ログアウト 登録
 作文も、音読も、勉強も、理解より慣れが大事な勉強 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 2420番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
作文も、音読も、勉強も、理解より慣れが大事な勉強 as/2420.html
森川林 2015/09/17 15:20 


 大人は、子供たちの勉強を見て、間違えたところをすぐに直そうとしたり、できなかったところをすぐに理解させようとしたりしがちです。
 その気持ちはわかりますが、そういう勉強の仕方をしていると、まず教える人がくたびれてきます。そしてだんだん叱るようになってきます。
 次に教えてもらう子の方が最初は真面目に聞いていますが、だんだん気分が乗らなくなってきます。
 そして最後に、教える方も、教えてもらう方も疲れ果ててしまい、勉強が続かなくなるのです。

 勉強の仕方で最も大事なのは、長続きさせることです。どんなによい教え方をしても、長続きしなかったら、その勉強は身につきません。長続きさせることを再優先して勉強させるというのが、勉強の仕方の鉄則です。
 では、長続きさせるためにはどうしたらよいかというと、それはにこやかに見守るだけにするのです。

 それでは、できなかったところがいつまでもできないままではないかと思う人もいると思いますが、できなかったことも繰り返しているうちに自然にできるようになるのです。
 ただし、そのためには、できなかったところを繰り返し勉強する仕組みを作ることが大切です。

 「作文が書けない」「書くことがない」「どう書いていいかわからない」などという質問を体験学習の子供たちから時どき受けます。
 そのときに、教える側が真面目になって、書くことを引き出そうといろいろアドバイスをすると、ますます書けなくなります。

 書けない原因の第一は、読書不足です。第二は、これまで注意されすぎてきたことです。
 だから、アドバイスの方法でいちばんいいのは、口頭でアドリブで書くことを言ってあげることです。
 「じゃあ、今から先生が言うとおりに書いてね。『きょう、ぼくはあさ6じにおきました。あさごはんは、なっとうとたまごやきでした。』はい、書いてごらん」
 こういう感じで言ってあげると、子供たちは、安心して素直に書き出します。そして、途中から、「なっとうとたまごやきじゃなくて、パンとぎゅうにゅうだったんだけど」などと言いながら自分で書くようになるのです。
 書き終えたら、たとえそれがほとんど先生の言ったとおりであっても、褒めてあげて、それでおしまいです。

 言葉の森に体験学習に来る生徒の中には、作文が超苦手という人もよくいます。
 そういう子供たちが、体験学習の1回めから苦もなく書き出し、やがてどんどん書けるようになり、作文が得意になっていきます。
 それは、作文に慣れるように教えているからなのです。

 音読も同じです。
 国語があまり得意でない子は、つっかえつっかえ読んだり、読み間違えたりします。それを近くで聞いているお母さんが、注意して直そうとすれば、音読はますます苦手になり下手になっていきます。
 何も言わずににこやかに聞いていれば、やがて上手に読めるようになります。
 これも、慣れです。慣れれば誰でも上手になるものなのです。

 勉強も同じです。
 算数や数学でできない問題があったとき、教える側はついわかりやすく説明してその場で理解させることがよいことだと思ってしまいます。
 しかし、いちばんよいのは、子供が自分で苦労して、「あ、わかった」というわかり方をすることです。
 だから、できなかった問題は、少し説明してわからないときは、それ以上説明をせずに、次の日にもう一度同じところをやって、解法と答えを読ませるといいのです。
 それを何度か繰り返し、それでもわからないときは、問題と解法と答えを書き写し、それを覚えてしまうぐらいにします。
 そうすると、ほとんどの場合、その問題に慣れて自然に理解できるようになります。
 それでもどうしてもわからないときは、生徒掲示板に書いて、先生に聞けばいいのです。

 音楽や運動は、頭での理解よりも身体の慣れだということをみんな知っています。
 知的な理解も大切ですが、そこに使う時間はわずかで、練習量のほとんどは身体が慣れるための時間です。

 勉強もそうです。
 特に、国語や作文の勉強は、他の教科よりもずっと運動や音楽の習得に近い勉強です。
 慣れるためには、いつもにこやかに褒めて、長続きさせていくことが大事なのです。



コメント欄

森川林 2015年9月17日 16時3分  
 戦後教育を受けたお父さんお母さんの世代には、理解というものに対する信仰のようなものがあります。
 「丸暗記ではなく、理解することが大事だ」と言う人が多いのですが、本当は、理解よりももっと大事なものが慣れなのです。

 赤ん坊は、歩き方を理解してから歩くのではありません。まず歩き始めて、何度もころんでいるうちに歩けるようになります。
 その場合、大事なのは歩いて向こうに行きたいという目的です。
 勉強の場合は、正解という目的があります。目的さえわかっていれば、ほとんどは慣れでできるようになるのです。

コメントフォーム
作文も、音読も、勉強も、理解より慣れが大事な勉強 森川林 20150917 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
せそたち (スパム投稿を防ぐために五十音表の「せそたち」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
音読(22) 家庭で教える作文(55) 作文教育(134) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン