ログイン ログアウト 登録
 新しい勉強のスタイル(2)――成績急上昇は自学自習から Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2646番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/24
新しい勉強のスタイル(2)――成績急上昇は自学自習から as/2646.html
森川林 2016/08/31 03:19 


 世の中には、受験勉強で大逆転を果たした例がいくつもあります。

 最近では、偏差値を40上げて慶應大学に合格した話、偏差値29だった人が東大に合格した話、暴走族だった人が大学に合格して予備校講師になった話、などです。

 この「暴走族だったオレが……」の本はもう絶版になっていますが、著者の吉野敬介さんの短期間の受験勉強は壮絶です。
 最後は受験会場で力を出し尽くして倒れるまでの話が書いてあります(笑)。しかし、内容は感動的です。

 もう少しまともな話では、と書くと上の例があまりまともではないようですが、ナイトー式学習法の内藤勝之さんの次のような例があります。

 内藤さんは、5歳のとき木から落ちて怪我をしたことがもとで、小6の夏まで学校に通えませんでした。
 しかし、小6の秋ごろストレプトマイシンという薬が開発されたために、症状が回復し、秋から急に学校に行けることになりました。

 自宅で療養しているときは、漫画を読んでいるだけで何も勉強していなかったので、学校の勉強の基礎はほとんど何もありません。
 しかし、父親から、わずか2ヶ月の間に、算数の九九、整数と分数の四則計算、ローマ字、漢字の書き方を教えてもらい、小6にそのまま編入させてもらいました。
 そして、その状態で小6の勉強は、何も困らなかったというのです。

 その後、中学生のときに病状がいったん再発し1年休学しますが、教科書を繰り返し読んで覚えるという単純な勉強法で、中3のとき滋賀県全体の模擬試験で一位の成績になります。

 高校に進学したあとも、高3からの短期間の勉強で、それまでの勉強法で身につけた、薄い1冊の教材を繰り返し徹底して覚えるという勉強法で京都大学に合格します。

 この内藤さんの例を見るとわかるように、勉強法の基本は、1冊を完璧にというやり方で、それを自分のペースで進めていくことなのです。

 もうひとつの例を挙げます。
 これは、渡部由輝(わたなべよしき)さんという、数学の勉強法の著書が多数ある人の例です。

 渡部さんは、浪人時代、大手のマンモス予備校の難関クラスに通いますが、そこで出された試験問題が手も足も出ません。第一回目の模試では後ろから数えた方が早いような順位でした。

 そこで、一ヶ月でその予備校をやめ、自宅で参考書を1冊に絞り、その中の問題をすべて解けるようになることを目標に秋まで勉強しました。すると、その後、予備校に復帰後の模試で、数千人の受験者中ベストテンに入る成績を収めたのです。

 ここにあるのも、1冊を完璧に、自分のペースでやりきるという勉強法です。

 もうひとつ、かなり昔の例ですが、本多静六氏の話があります。
 本多静六(林学博士。一八六六~一九五二)は、現在の東京大学農学部に入学しますが、最初の数学のテストで赤点を取り落第をします。

 一念発起した静六は、数学の例題集一千題を三週間で完璧に覚え切ります。
 すると、次の学期のテストから百点が続き、数学の先生からはもう授業に出なくてもよいと言われるようになり、最後は成績優秀者に与えられる銀時計をもらうまでになるのです。

 ここにあるのも、1冊を完璧に、自分のペースでやり遂げるという勉強法です。

 これらの人々が、もし、「数学が苦手だから、数学をわかりやすく教えてくれる塾にでも行こう」という発想で、他人に教えてもらう道を選んでいたら、苦手な数学が少しずつわかるようになるという勉強はできたでしょうが、上に述べたような大逆転はなかったと思います。

 では、なぜ多くの人は、大逆転の可能な自学自習の方法を選ばずに、そこそこにできるようになる見込みがあるという程度の、人に教えてもらう勉強法を選ぶのでしょうか。

 それは、自学自習で勉強を進めることに不安があるからだと思います。
 だから、この不安のない状態で、自学自習の勉強を進めることができれば、それが最良の勉強法になるのではないかと思います。(つづく)



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
公立中高一貫校(63) オンエア講座(41) 

コメント欄

森川林 2016年8月31日 3時41分  
 勉強でも、仕事でも、確実な成果を上げるためには、ひとりで取り組むことが大切です。
 みんなと一緒に仲よく楽しくということでは、そこそこの成果しか上げることはできません。
 だから、受験勉強のような勝負をかけた勉強では、本人か、親か、家庭教師が、その子だけの勉強をするという体制で取り組むのがいちばんの理想です。
 ただ、実際にはなかなかそういうことはできません。
 そこで、今考えているのは、オンエア講座による生徒の独学のアドバイスです。


コメントフォーム
新しい勉強のスタイル(2)――成績急上昇は自学自習から 森川林 20160831 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
ぬねのは (スパム投稿を防ぐために五十音表の「ぬねのは」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
公立中高一貫校(63) オンエア講座(41) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習