△田んぼにいたサギ
国語の勉強というと、漢字の書き取りや国語のドリルと考えがちですが、それだけではもうこれからの学力に対応できません。
同じく、算数の勉強というと、計算の練習や算数のドリルと考えがちですが、それだけではやはりもうこれからの学力に対応できません。
もちろん、基礎的な知識と技能というものはいつの時代も必要なので、漢字の書き取りも計算の練習もやっておく必要はあるのです。
しかし、答えを出す勉強ばかりしていたのでは、今の成績はそれなりに上がりますが、本当に考える力は育ちません。
考える力を育てる勉強は、答えのない勉強です。あるいは、答えがいくつもあるような勉強です。
答えがない、又はいくつもある勉強は、一般に時間がかかります。簡単に済ませることももちろんできますが、自分らしく考えようと思うと、どうしても時間がかかってしまうのです。
しかし、勉強の能率を上げることを優先するのは、受験勉強の半年か1年間だけです。それまでの勉強は、能率を上げるよりも深く考える力を育てることに費やした方がいいのです。
言葉の森が今、オンエア講座でやっている国語・作文の勉強は、入試問題レベルの文章を読んで、四文で短い文章を書くことです。
四文の中身をふくらませれば、そのまま四段落の作文になりますから、構成の上では600字から1200字の作文を書くことと同じです。
しかも、その四文の中身に、自分の体験と、両親などへの取材と、結びの光る表現を入れる練習ですから、時間をかければすぐに作文になるほど密度が濃いのです。
これで、読解力と記述力の両方を同時につけていくのです。
もうひとつは、算数数学です。
算数数学は、問題を見て解いて答え合わせをして○をつけるだけでは、それほど考える勉強にはなりません。
○をつけたあとに、もうひと工夫して、自分でも同じような似た問題を作ってみるのです。
似た問題ですから、中身の数字を少し変えるだけでももちろん似た問題です。これなら時間はかかりません。
しかし、もっと工夫して、問題文を変えたり、もとの問題から更に発展させた問題を作ったりすることもできます。これは、凝りだすと時間がいくらあっても足りません。
自分の関心に応じて、自分なりの似た問題を作っていると、問題の構造をより深く理解できるようになります。
それは、今の点数を上げる勉強ではなく、将来の考える力を育てる勉強なのです。
大学入試に合格することまでをゴールとすると、そういう遠回りをするよりも、短時間で能率よく解法を覚える方がずっと時間の節約になります。
しかし、本当のゴールは大学に合格することではなく、その先にある大学生活や社会生活で自分なりの学問や仕事ができることです。
途中までの方向は同じようなものですが、ゴールはできるだけ先の方に置いて置くことが大事なのです。