ログイン ログアウト 登録
 暗唱力があれば、作文や国語ばかりでなく数学も英語も思いのまま(2) Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2717番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/24
暗唱力があれば、作文や国語ばかりでなく数学も英語も思いのまま(2) as/2717.html
森川林 2016/10/17 20:45 


 1,000字の文章の暗唱といっても、毎日の自習時間はわずか10分です。
 朝ご飯前にやると決めておけば、誰でもできます。
 そして、暗唱の勉強のいいところは、暗唱した結果があとに残ることです。
 だから、子供自身も暗唱ができたあとの達成感があります。
 また、先生も、毎日暗唱をしているかどうかを確実にチェックできます。

 言い間違えたり、つっかえたり、途中で忘れたりする子は、毎日ではなく、週に数回しか暗唱の自習をしていなかった子です。
 毎日10分の自習を欠かさずにしていれば、つっかえるようなことはまずないからです。

 ところが、ここにも新たな問題が出てきました。
 子供の暗唱をチェックする先生自身が、自分が子供時代に暗唱をした経験がないので、そして、先生はもともと優しい人が多いので、子供の暗唱チェックに甘くなってしまうことです。
 小さい子供が、先生の前で、一生懸命やってきた暗唱を思い出して言っているのを聞くと、1、2か所の言い間違いは仕方ないと認めてしまうのです。
 このようなことが何度か続くと、子供の暗唱の練習はやはりいい加減になってきます。
 単純な勉強は毎日やるのが基本ですが、週に数回やればいいという勉強になってしまいます。
 そして、週に数回では、完璧には程遠い暗唱になるので本人もやりがいがなくなり、次第に暗唱をやらないようになってしまうのです。

 そこで、暗唱チェックは担当の先生も一応するが、正式のチェックは暗唱検定で行うというようにしました。
 字数は3,000字で時間は5分、それを3ヶ月で覚えるのが目安です。更に、3,000字の暗唱が4本できたら、それらをまとめて12,000字を20分で暗唱します。

 それぐらい長い文章を暗唱すると、その暗唱は確実に自分の中に残ります。
 その際に、せっかく子供の中に残り一生覚えていられるような暗唱をするのだったら、日本の伝統に根ざした文化的な暗唱をしようと考えました。

 それまでの言葉の森の暗唱は、作文に使えるような現代の文章の暗唱でしたが、ここで大きく方向転換し、本格的な文化的暗唱に取り組めるようにしたのです。

 文化的暗唱というと、枕草子とか百人一首とかいうものももちろんありますが、日本には、そういう文学的な文章だけでなく、深い思想に根ざした古典の文章の蓄積もかなりあります。
 今回、改めて日本の古典を集めて読んでみると、その文化の厚さと深さが予想以上だったことに驚きました。

 翻って考えてみると、今の私たち大人の世代は戦後教育の影響で、欧米の文化を先に吸収してきたので(サルトルとか、マルクスとか、ヘーゲルとか、いろいろ)、肝心の日本の文化を知らないまま成長してきたのです。
 これからの子供たちは、日本の文化を先に学び、それから海外の文化を学ぶという本来の姿に戻っていくと思います。

 さて、この暗唱の練習は、単に古典の文章の暗唱だけにはとどまりません。
 暗唱には、もっと大きな効果があるのです。
 その一つは、人生に対する効果です。そして、もう一つは勉強に対する効果です。(つづく)



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
暗唱(121) 

コメント欄

森川林 2016年10月17日 20時52分 1 
 「暗唱? ああ、覚えるやつでしょ」と普通の人は思いますが、暗唱の効果というのは、実はやってみないとわからないところがあるのです。
 その効果の一つは、人生に対する効果で、もう一つは、勉強全体に対する効果です。
 ただし、その場合、うろ覚え程度の暗唱では不十分です。
 忘れようとしても忘れられないぐらいに徹底して暗唱すると、そこで変化が起きてくるのです。


nane 2016年10月17日 20時56分 1 
 実は、戦後、GHQの教育によって、暗唱の学習法が止められ、歴史を人物を通して学ぶことが止められた経過があるのです。
 それは、両者が教育上の高い効果を持っていたからです。


touko 2016年10月19日 21時27分 77 
古文の暗唱に取り組んでいる、フランス在住、小学2年生の女の子。お母さんにおこられると「お母さんが鬼にぞなりけり・・・」とボヤクそうです(笑)

コメントフォーム
暗唱力があれば、作文や国語ばかりでなく数学も英語も思いのまま(2) 森川林 20161017 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
てとなに (スパム投稿を防ぐために五十音表の「てとなに」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
暗唱(121) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習