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事前指導を生かした作文は、実例を増やし、語彙を豊かにし、家庭での対話の文化を作る as/2741.html
森川林 2016/11/10 07:27 


「じゃあ、次の週の感想文の説明をするよ。ちょっとyoutubeを見てみよう」
と言って流したのが、「鯛の釣り」。船で釣りに行った人が、大きな鯛を釣り上げる場面の動画です。
 小5の11.3週の感想文課題の長文で、鯛の話があったので、本当に鯛の色が赤いかどうか見たのです。

 次のyoutubeは、「ドライアイスとシャボン玉を使った実験」。
 実際にいろいろなことを試してみると、本を読んで得た知識だけではわからないことがわかる、という話の例でした。

 こういう事前の準備をするのは、感想文の中身を充実させるためです。
 小5の感想文の課題のもとになる長文は、中学入試レベルの説明文の文章ですから、簡単に感想文は書けません。事前の準備をしておく必要があります。

 このあと、子供たちは、長文と先生の話をもとに、構想図(構成図)を書きます。時間は10分程度です。
 構想図に書く内容は、長文を読んだり先生の話を聞いたりしたあと、心に残ったことです。
 作文を書くための構成メモのようなものではなく、ただ頭に浮かんだことを散らし書き風に書いていくのです。

 この構想図は、そのあとのお父さんやお母さんとの対話のときに役立ちます。
 お父さんは、帰りが遅いことが多いと思うので、子供が感想文の似た例を取材したいと思ってもすぐには聞くことができません。夜になったり、あるいは土日の休みの日になったりすることがあります。
 すると、構想図のようなメモがないと、話が始めにくいのです。

 メモのようなものがないと、漠然とした質問をすることになるので、聞かれた方も答えようがありません。
 また、子供の方もただ親に依存するような聞き方になってしまいます。
「こんなことある?」
「そんなことないなあ」
「あ、そう」
などという対話では、事前の準備にはなりません。

 子供の構想図の説明をもとに、お父さんとお母さんと、ほかにも家族がいればその人たちも巻き込んで、みんなで思い思いに似た例を話していきます。

 こういう親子の対話があると、感想文の準備ができるだけでなく、子供の語彙力が育ちます。
 語彙力が育つということは、実例も、表現も、感想も豊かになっていくということです。
 また、作文の材料がみんなの協力によってで作られるので、作文を書く意欲も自然にわいてきます。


 言葉の森の作文指導の特徴は、事前指導です。作文を書いたあとの赤ペン添削は、事後の評価というよりも、むしろ次の作文の指導のための先生のメモのようなものです。

 子供が作文力をつけるのは、事前の準備によってです。
 そして、その事前の準備をする場所は家庭です。
 子供たちの本当の学力は、家庭での知的な対話の中で育っていきます。
 そういう事前指導を充実させるために、これから、オンエア講座「作文と勉強」でいろいろ工夫をしていきたいと思っています。


(参考までに)

真鯛の釣り
https://www.youtube.com/watch?v=chDCCajTLxI

ドライアイスとシャボン玉の実験
https://www.youtube.com/watch?v=GwBWiBboPzM

片栗粉スライムの実験
https://www.youtube.com/watch?v=zVU1aGzSAo4



コメント欄

森川林 2016年11月10日 7時35分 1 
 作文の勉強は、事前の準備が80パーセント、事後の評価が20パーセントぐらいです。
 書くことを家で準備してくる子は、毎回充実した作文を書き、実力もぐんぐんついていきます。
 書くことを準備していない子も、書くことによって少しずつ上達はしますが、やはり進歩に時間がかかります。
 この事前の準備をしやすくするために、今、言葉の森では授業形式の作文指導をする実験をしています。
 それが、オンエア講座「作文と勉強」です。


jun 2016年11月11日 11時22分 2 
生徒のお母さんから、「作文がきっかけで、いろいろな話ができるようになり、お父さんが一番喜んでいる」と言われたことがあります。^^

2 2016年11月11日 11時27分 2 
作文は、書くという行為だけでなく、事前の準備に意義があります。
一つのテーマについて家族で話をする機会は、普通ならあまりないと思いますが、毎週作文を書くことによって、そういう習慣が生まれるのはいいことですね。

aakone母 2016年11月21日 12時38分  
 お世話になっております。事前指導について、このごろは本人が必要ないと言い始めて困っています。課題集のヒントが充実しているので、それで事足りている、事前指導も親の話も不要だとのこと。電話指導をお休みしたとき、振り替え指導を受けずに、一人で作文を書いているときがあります。あるいは、作文をほとんど書いてしまってから電話指導を受けているときもあります。
担当の先生と予定通りお電話ができるときは、やはりずっと見てくださっている先生なので、ためになるお話ができるそうです。が、振り替え指導になると、どうしても課題集ヒント以上の話には発展しにくいため、不要だというのが本人の言い分です。
自力で取り組めることを評価する、また、仕上げた作文のレベルが課題集ヒントをつなげたものに過ぎなくてもそれはそれで一つの過程である、とは思うのですが、親としては、授業料がもったいない…苦笑。
学校生活が多忙で不規則なため、空き時間にさっさと済ませたいという気持ちはわかるのですが、そういう子どもに対して電話指導を効果的なものにする秘策はありますでしょうか。
(昔、非常に優秀な生徒さんの担当をしていて、私の指導は不要なんじゃないか、どうやったらその生徒さんの力になれるのかと悩んだのを思い出しました。我が子は優秀ではありませんが・・・)

森川林 2016年11月23日 9時6分  
 お返事遅れてすみませんでした。
 これは、子供の勉強の問題というよりも、子供の勉強に対するお母さんの見方の問題だと思います。
 私の推測ですが、子供は、お母さんの目を意識しているので、お母さんの望むとおりにやるのが嫌なのです(笑)。勘のいい子は、そういうことがよくあります。
 それは、お母さんが、子供に、「もっと……したらいいのに」というより高い水準を要求することが多いからです。
 中学生の時期の子供は、外見とは違って内面生活はいろいろな不安を持っています。
 だから、周りの人、特に母親は、その子に何かを求めるのではなく、その子が今のままでいいのだと安心させてあげることが大事です。
 だから、「先生の話、聞かなくても自分で書けるってすごいね」とか、「いろいろなことがあって忙しいのに、早く仕上げてえらいね」とか、「課題のヒントをつなげて書くなんて、なかなか要領いいね」とか、今やっていることをそのまま認めてあげるといいです。
 そして、あとは、この話とは違いますが、もし時間があればまた講師を再開してください(笑)。
 これから、いろいろ新しい面白いことをする予定なので。
 でも、すぐでなくてももちろんいいですが。


aakone母 2016年11月25日 20時59分  
お忙しい中、お返事をありがとうございました。
先生のご指摘の通りだと思います。
講師の立場にあるときは、子どもにのんびり構えられるのですが、我が子となると、要求はどんどん高くなってしまいます。
いけないと思いつつ、やってしまうのが親かな・・・修行が足りません。

子どものほうは、親の期待を嫌がりつつも、本能的にそれにこたえようとするのですね。
最近は、子どもが自分で自分を追い込んでいく姿も見られるので、ひやっとします。反省の日々です。

どんな年齢になっても、子どものありのままを認めることがどれほど大切か、思い知らされます。
それは、教育だけではなく、人間社会のあらゆる面に通じることですね。

思春期の子どもを育てていると、自分に自信がどんどんなくなっていきます。
昔、言葉の森の先生方が、我が子の作文指導をあえてほかの先生にお願いしていました。その気持ちが今はよーくわかります。
時間はあるのですが、気持ちの余裕がない状態です、涙。

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