言葉の森は、これまで約35年間作文指導をしてきました。
その中で、いろいろな実績を上げました。しかし、中に、はっきりした成果の出る子もいましたが、なかなか成果の出ない子もいました。
その原因は何かと考えてみると、成果の出ない子は、作文の土台となる読む力が弱かったのです。
氷山のたとえで言うと、水面よりも上の部分は、作文という形で表面の現れるところです。しかし、水面下には、その見える形よりも何倍もの読む力や学力や語彙力や経験力があったのです。
そこで、言葉の森では、作文指導の途中の時期から、音読や暗唱の教材を作り、おすすめ図書の一覧表も作り、問題集読書のアドバイスをし、さまざまな方法で読む力をつけるアドバイスをしてきました。子供とお母さんやお父さんが、作文の課題について対話をすることの重要性も話してきました。
ところが、ここで新たな問題が出てきました。
それは、最初はそのアドバイスに沿って家庭学習を始めた子が、数日で飽きてやめてしまうことが多いということです。
そして、自習を続けるかどうかで、子供と親の言い争いになったり、更には、お母さんとお父さんの言い争いになったりするようなこともありました。
こちらが、「音読は大事ですから、必ず朝ごはんの前にやってください」などと言えば言うほど、「子供がやらないんです」「親子の喧嘩になってしまうんです」「もう、私もくたびれました」などという相談が増えてきたのです。
そこで、こちらもだんだん言い方をセーブし、「音読はできるだけやってください」などと言うようになっていったのです。
しかし、氷山の上が作文の力、氷山の下が、読む力を中心とした学力全体という構造は変わりません。
そこで、いろいろ試行錯誤をしているうちに、googleハングアウトやskypeという、双方向のメディアがクラウドのサービスとして利用できることに気がつきました。
これらのクラウドサービスを利用すれば、読む力をつけるための自習も、家庭に任せっぱなしにせず、先生がチェックすることができます。
特に、国語の問題集読書などは、家庭の中だけで続けることはかなり難しいものですが、skypeのビデオメッセージなどで送ってもらうような形であれば、かなり楽できるようです。
そこで、今後の作文指導は、氷山の上の部分は通常の作文指導、氷山の下の部分は、「寺子屋オプション企画」というふうに分けてやっていこうと考えたのです。
しかし、これまでやってきた寺子屋オプション企画は、いろいろな講座やイベントが重なって、一部が重複したり区別がわかりにくくなったりしていました。
また、これはたまたま時期が重なったということですが、サーバの移転に伴う引越し作業が1月から始まってしまいました。
そこで、寺子屋オプション企画の再編成とサーバの引っ越しを兼ねて、現在行っているさまざまな企画をいったん休止し、引っ越しが終わったあとに新しい仕組みで再スタートするようにしたいと思いました。
今後の寺子屋オプション企画の中心になるものは、3つあります。
第一は、寺子屋オンエアです。これは、自学自習によって学ぶという企画です。
第二は、オンエア講座です。これは、発表と交流の中で学ぶという企画です。
第三は、自然寺子屋合宿です。これは、自然と人間との触れ合いの中で学ぶという企画です。
このほかに、小さな企画としては、プレゼン作文発表、作文検定、暗唱検定、自習検定などがあります。
いずれも、googleハングアウトやskypeを使うことが多いので、これらの使い方を練習する場も設けていきたいと思っています。
この春から、作文指導と寺子屋オプション企画の二つを組み合わせて指導していく予定です。