国語は、いろいろな教科のうちの一つというのではありません。あらゆる教科の土台です。
低学年のうちは、この土台を作る最も大切な時期です。
しかし、国語の勉強は、国語の問題集を解くような形では身につきません。
勉強という形に現れない国語的な生活の中で身についていくのです。
それが、読書と対話です。
そして、本当は、ここに音読と暗唱も入れていくといいのです。
言葉の森の暗唱検定の合格者が、のべ40人を超えました。
約3000字の暗唱を7分で読めるようにするのですから、毎日10分の勉強で2、3ヶ月かかります。
この子たちは、国語もほかの勉強も得意になっていくと思います。
また、国語問題集読書の音読を寺子屋オンラインで毎日続けている子もいます。
こういう子たちは、着実に国語力がついています。
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「子供の習い事をどのように考えるか―国語の学習を生活の中心に」
https://www.mori7.com/index.php?e=1759
子供が健やかに育ってほしいと思うのは、誰にも共通する願いです。そのためのひとつは学力です。この学力を育てることが、子供の成長の中心の課題です。その学力の周辺の余技として音楽やスポーツや様々な趣味の世界があります。だから、学力をつける時間を確保したあとに、音楽やスポーツの時間を確保していくことです。
音楽の目的は、将来、日常生活の中で音楽を楽しめるようになるための技術を身につけることです。運動の目的も、将来、日常生活の中でスポーツを楽しむための技術を身につけることです。決して、将来プロとなるための練習をしているのではありません(ほとんどの人にとって)。親は総合的に子供の成長を考えて、バランスよく子育てをしていくことが大事です。
学力を教科によって分けると、国語と算数が二つの大きな柱になります。国語と算数数学は、小中高と学力の中心になります。しかし、この二つの教科は、性格に大きな違いがあります。ひとつは、国語はやらなくてもある程度できるが、やっても完璧にはできない教科であるのに対し、算数はやらなければできないがやれば百点も取れるようになる教科だということです。
これは、国語と算数が次のような構造を持っているからです。
▽算数
勉強して身につける部分
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生活の中で身につける部分
▽国語
勉強して身につける部分
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生活の中で身につける部分
算数は、勉強をすることがほとんどすべてです。
国語は、勉強以外の生活を国語的にしていくことが大切です。
だから、話したり、聞いたり、読んだり、書いたりする日常生活を充実させていくことが大事になります。
一般に、小学校低学年では、算数にかける時間の2倍から3倍を国語的な勉強にかける必要があります。そのためには、生活の中で国語の力をつけていく工夫をすることが必要になります。
科学技術教育に力を入れているドイツでも、小学校低学年の国語の授業時間は、算数の授業時間の2~3倍になっています。
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国語の勉強というと、漢字の書き取りをしたり、問題集を解いたりすることぐらいしか思いつかないことが多いのですが、そういう勉強で国語力がつくと思う人は少ないと思います。
そのため、国語の勉強は後回しになってしまうことが多いのです。