高校生大学生の読書離れが広がっているようです。
読書が必要なのは、その読書によって自分の経験以外の幅広いものの見方ができるようになるからです。
右のものを左に移すような仕事や勉強の場合は、必要な情報や知識があれば間に合います。
しかし、そこに自分の工夫を加えることが必要になると、知識や情報だけでは間に合いません。
ものの見方を立体的にしていく必要が出てくるからです。
その立体的なものの見方を提供するのか、それまでの読書の蓄積です。
この場合の読書は、主に説明文的な読書です。
また物語の読書であっても、古典となっているものの多くは、社会や人間心理の構造という立体的なものを含んでいます。
そういう構造的、立体的な読書が役に立つのです。
そういう読書をするためには、小学校時代に読書に熱中する経験をしている必要があります。
読書を苦い薬でも飲むかのようにノルマとして読むのではなく、熱中して読むような読み方をすることが、小学校時代の教育の要になります
これまでの社会は、肉体的な仕事が機械に置き換えられてきた時代でした。
これからは、知的な仕事が人口知能によって置き換えられる時代になります。
これは教育においても受験においても同じように広がっていきます。
教育の本質は二つあります。一つは知識を習得する時期で、長い退屈な山道を登っていくような部分です。
もう一つは、その知識の蓄積のあと尾根に出て、自分なりの創造を付け加え社会に貢献していく部分です。
これまでの受験では、退屈な山道のアプローチだけが長期化していました。
そして多くの子供たちが、右のものを左に移すだけのような勉強で消耗していたのです。
これからは、長いアプローチの部分は人口知能の利用で簡略化されるようになります。
すると、教育のもう一つの本質である創造がより前面に出てくるようになります。
そのときに大切になるのが、その子のそれまでの読書の蓄積なのです。
思考発表クラブでは、子供たちが読んでいる本を約1分で紹介するようにしています。
どの子も発表がとっても上手になりました。また、その相互の紹介によってみんなの読書の幅が広がっています。
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国語力をアップさせるコツと付箋読書
https://www.mori7.com/index.php?e=2224
国語が苦手という生徒には、(1)毎日の読書、(2)課題の長文の音読、(3)感想文の課題の予習、そして、(4)余裕があれば問題集読書をと言っています。
更に、その上に、毎月の読解問題を全問正解になるようにじっくり解くように説明します。
すると、必ず国語の成績は上がります。その上がり方も、かなりはっきりしています。
小6のとき国語がいちばん苦手だったという生徒が、中3になるころには、国語の成績がいちばんよくなるということも実際にあります。そして、第一志望の難関高に受かった子も何人もいます。
だから、国語の力をつけるというのは、実は平凡なことの積み重ねなのです。
しかし、小学生のときまでに国語が苦手だったという生徒の中には、読書の習慣がついていないことも多く、受験に合格すると、ついそれまでの勉強法を忘れてしまい、読書から離れてしまう生徒も多いのです。
すると、高校生になったばかりのころは国語が得意だった生徒が、高3になるころにはまた国語が苦手になるということもあります。
だから、いつでも本を読む生活を忘れてはいけないのです。
読書は習慣ですから、1日読まなければ、1日分読書から遠ざかります。そして、何日か読まない生活が続くと、読書をしない生活が普通の生活のようになってしまうのです。
これは、大人でも同じです。毎日10ページでも読むと決めておけば、読書のある生活から離れることはありません。
しかし、読まない日が何日か続くと、そのあと新しく本を取ることが億劫になるのです。
この毎日の読書を続けるのに最もよい方法が、付箋読書です。
毎日どんなに忙しくても最低10ページは読むと決めておけば、10ページを読むのにかかる時間はせいぜい10分ほどですから、読書から離れることはありません。
読み終えたところに付箋を貼っておくと、わずか10ページでも、確実に読み終えたという実感が残ります。これがもし付箋を貼らずに読むとなると、10ページほどでは張り合いがない気がするので、「いつか時間のあるときにじっくり読もう」と思って、結局読まないことになってしまいます。
人間は、中身よりも形を基準にして生きています。
読書も、読んだ形を残すことで続けやすくなるのです。
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付箋読書の仕方は、下記のページを参考にしてください。
https://www.mori7.com/as/939.html
大事なのは、上に貼る付箋の方ではなく、横に貼る付箋の方です。
つまり読んでいる途中経過がわかるように貼ると、読み続けやすくなるのです。