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国語力は忘れたころについてくる as/3039.html
森川林 2017/09/15 06:05 


 国語の勉強で、すぐに成績を上げる方法はあります。
 それは、読解問題で、解き方のコツを理解するという方法です。

 こういう理屈ではっきりわかるような勉強法は、現代人には好評で、多くの人がこの確実に成績が上がるやり方を評価してくれます。

 しかし、理屈で理解できる技術をもとにした勉強法は、実は根の浅いもので、本当の国語力は技術的な方法で身につくものではありません。

 例えば、読解問題の解き方のコツで成績を上げた子も、読む文章が難しくなると、そこで成績の上昇が止まってきます。
 技術でカバーできる範囲は、限られているのです。

 では、国語力を本当に上げるにはどうしたらよいかというと、それはかけた時間なのです。
 もっと正確に言えば、勉強した時間というよりも、勉強した日数に比例して国語力はいつのまにかついてくるというものなのです。

 小学校高学年の生徒で、作文力は普通で、特に上手でも特に下手でもないという子がいました。
 真面目な子で、毎日の音読の自習をきちんと続けていました。
 しかし、毎日やっていても、その成果はもちろんすぐには作文に出てきません。

 ところが、毎日の音読の自習と、毎週の作文のよくできたところを褒める指導を続けていて、半年ほど経ったある日、気がついてみると作文が前よりもずっとリズミカルでめりはりのあるものになっていたのです。

 作文力の上達は、こういうものです。
 優れた先生が、優れた添削をして、すぐに上手になるというものではありません。
 少なくとも、すぐに上手になる部分は、根の浅いものなのです。

 もう一つの例は、小学校低学年の生徒です。

 思考発表クラブで、毎週、それぞれの生徒に読んでいる本の紹介をしてもらっていますが、低学年の子は、本のあらすじをぼそぼそと言うような紹介がほとんどです。
 その子も、毎週そういう紹介をしていました。

 しかし、その生徒は、毎日の自習として読書と音読を続けていたのです。
 もちろん、毎日音読をしていても、目に見えるような成果は出てきません。

 ところが、やはり半年ほどたったある日、気がついてみると、いつのまにかとても的確に本の内容を紹介できるようになっていたのです。

 現代の勉強法は、「こういう方法でやれば、こういう結果が出る」という理屈で理解するようなものがほとんどです。
 社会全体が、そういう理屈で納得するような勉強観を持っているのです。

 しかし、江戸時代の寺子屋の勉強法は、そうではありませんでした。
 毎日の素読のような、平凡な繰り返しの勉強が中心だったのです。
 その名残りが、今の九九の暗唱のような勉強法です。

 欧米では、九九の暗唱ではなく、掛け算の一覧表を目で見て覚えて、テストで評価するという方法が主流です。
 どちらが、本当の掛け算の実力になっているかと言えば、日本の単純な繰り返しの勉強法の方だというのは異論がないと思います。

 この日数をかけて上達する方法というのは、やっている生徒の方も見ている親や先生の方も張り合いがありません。
 何日もやっているのに成果があるのかないのかわからないという日が、何週間も、何か月も、時には何年も続きます。

 そこで、ほとんどの人は、そういう単純な繰り返しの自習をいつの間にかやめてしまいます。

 ところが国語力というものは、この毎日のわずか数分の積み重ねでいつのまにかついてくるというものなのです。



コメント欄

森川林 2017年9月15日 6時12分 1 
 勉強観には、その時代の文化が反映されています。
 現代人の多くは、分析主義的な考え方を無意識のうちにしていて、勉強についても、できないことがあると、できるようになる方法を教えてもらえば、できるようになると思ってしまいます。
 しかし、本当は、日数をかけることでしかできないことがあり、国語力・作文力については特にそのかけた日数というものが大事になってくるのです。

nane 2017年9月15日 6時21分 1 
 国語力は、ある程度難しい文章を繰り返し読むことでついてきます。
 だから、問題集読書の音読を毎日続けるのがいちばんいいのです。
 しかし、子供はこういうあてのない勉強を嫌がり、問題集を解いて○や×をつけるような勉強を好みます。
 だから、世の中には、そういう教材が溢れています。
 しかし、国語の成績のいい子は、そういう国語の問題を解くような勉強はまずしていません。
 そこで、言葉の森では、問題集読書を家庭でも続けられるようにするために、オンラインの自習指導を始めたのです。


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