作文のオンライン少人数クラスが始まりました。
このオンライン少人数クラスは、授業の様子を参加者が動画として記録できるので、あとでお父さんお母さんが授業参観のような形で見学をすることができます。
また、自宅で勉強するオンラインクラスですから、授業のあと、必要があればすぐに懇談会や父母面談なども行えます。
こういうコミュニケーションが容易になるところが、オンライン少人数クラスの利点です。
しかし、その反面、今後予想されるマイナス面もあります。
それは、子供の勉強の様子があまりはっきりわかるようになると、親は注意を始めることがあるということです。
例えば、生徒どうしの作文の発表会などがあると、自分の子供に対して、「もっとこうした方がよかったのに」などと言わないまでも、ほかの子の上手な発表を例にして、ほかの子を褒めるという遠回しの注意をするお母さんもよくいるのです。あるいは、無意識にやってしまうのかもしれませんが。
しかし、そういう話を聞いて、子供は嬉しいわけがありません。
すると、だんだんと、発表会の様子や勉強の様子を親に見てほしくないと思うようになるのです。
注意をされて育った子は、確かに勉強はよくできるようになります。
しかし、長い目で見ると勉強に対する肯定的な感情が乏しくなっていきます。
注意して直す方が、褒めて直すよりも結果が早く出ます。
しかし、子供は次第に注意する人から遠ざかるようになります。
ときどき、リビングで勉強をしたり音読をしたりするのを嫌がり、自分の部屋でやるという子がいますが、それは注意されることから離れようとしているからです。
だから、結局、注意の効果があるのは、最初のうちだけになってしまうのです。
子供の躾と犬の躾は、親や主人が一方的にできるという点で似ています。
遠くにいる犬を、呼んですぐに来させるようにするには、長い紐をつけて呼ぶと同時に少しずつ引っ張り、近くに来たら褒めるということを繰り返していくといいのです。
ところが、注意して直そうとする人は、犬が呼んでもなかなか来ないときは、近くに来てから叱るのです。
すると、犬は、近くに行くと叱られるということを学びます。
そして、ますます呼んでも来なくなります。
犬が来たときに、「早く来なきゃだめでしょ」と叱るのではなく、「遅かったけどよく来たね」と褒めるのが褒めて直すコツです。 時間のかかる直し方ですが、子育てはもともと時間のかかる仕事なのです。