算数や数学の問題で正解を答えるというのは、解法のパターンさえ理解すれば誰でもできます。
しかし、その問題を自分で作るとなると、ただ数字を入れ替えるだけでもかなり難しい勉強になります。
というの、は問題集に載っているような問題の多くは、すっきりした答えが出るように作られているのに対して、自分で作る問題はその答えがすっきりするようなところまでなかなか行かないからです。
国語の問題の場合も同じです。
大学入試センター試験で高得点を取るのは、問題文を緻密に読み取る練習をすれば誰でもできるようになります。
しかし、そういう緻密な読み取りを必要とする選択問題を作るのは、問題を解くことの何倍も難しいのです。
考える力のある生徒は、この問題を作る勉強の方に関心を示します。
それは、問題を解くことが、狭い決められた道を歩くような作業であるのに対して、問題を作ることは、自分の持っている力を総動員できるからです。
問題に答える勉強であっても、穴埋め問題や選択問題より、記述式の問題の方が記入の自由度が高まります。
そして、実力のある生徒ほど、記述問題の方を好みます。
ところが、採点する側にとっては、選択問題や穴埋め問題は機械的な作業で採点できるのに対して、記述問題や作文小論文問題は採点に非常に手間がかかります。
しかし、子供たちの真の学力向上を考えた場合、たとえ採点の手間がかかっても、子供たちが自分で考える形の勉強をすることが大事です。
これからの少子化は、むしろこういう充実した勉強をするために有利な条件になると思います。
言葉の森で行っている作文の勉強は、答えのない勉強です。
新しく始めたオンライン発表学習も、答えのな勉強です。
答えのない勉強は、ある意味で手を抜くこともできます。それが、かつてのゆとり教育のマイナス面として指摘されたことです。
しかし、今言葉の森で行っている発表学習クラスの多くは、毎回かなりレベルの高い発表をしています。
このレベルの高い発表学習を普遍化することが、これからの日本の教育の課題になると思います。