子供の読書生活を先に進める第三の読み方が復読です。
よく多読と精読が比較されますが、精読とは繰り返し読むことです。
幼児期の読み聞かせのときに、同じ本を何度も読んでもらいたがる子がいます。
また自分で本を読めるようになったあとも、好きな本を何度も繰り返して読む子がいます。
繰り返し読んだ経験のある子ほど、読書力がつきます。
また、この繰り返し読む読書によって、その子供が文章を書くときのリズム感が育ってきます。
だから、いろいろな本を次々と1回だけ読むよりも、ある特定の本を何度も読むような読み方ができるように勧めていくといいのです。
しかし、これは本人が好きで繰り返し読む本に出合うまで待っているわけにはいかないこともあります。
そこで、言葉の森では、長文の音読や問題集読書という繰り返し読む勉強法を取り入れています。
繰り返し読むことによって、その文章の内容を理解するだけでなく、その文章にある語彙や表現やリズム感が作られていきます。
ところが、この繰り返し読むということが、単調でなかなか続けられない子が多いのです。
子供たちは、問題集を次々に新しく解くような勉強の方を好みます。
その方が、勉強をしている感じがするからです。
しかし、本当は、問題集を解く勉強は、問題文を読んでいるときだけ読む力を使っているのですから、時間がかかるわりに密度の薄い勉強なのです。
問題を解く勉強に意味があるのは、間違っていた問題を、なぜ間違っていたか理詰めに説明できるようにするときだけです。
ところが、ほとんどの場合、国語の問題は、「当たった」「外れた」のレベルで済ませられてしまいます。
だから、それよりも、問題文を繰り返し読むだけの勉強をした方が読解力がつくのです。
長文音読の勉強や、問題集読書の勉強は、問題を解く勉強の5分の1から10分の1の時間でできます。
そういう短時間でできる勉強を毎日繰り返していくといいのです。
(つづく)
次は、読書の中で最も重要な難読についてです。
https://youtu.be/quNAEJQOYTo