ログイン ログアウト 登録
 よその子を褒めるのではなく、自分の子を褒める Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 3367番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
よその子を褒めるのではなく、自分の子を褒める as/3367.html
森川林 2018/07/10 08:29 


 小学2、3年生の子のお母さんで、自分の子の作文をうまくさせようとして、よその上手な子のことを褒める人がいます。
 これは、その子にとって何のプラスにもならないばかりか、作文そのものを嫌いにさせる原因になります。
 いちばんの原因と言ってもいいと思います。

 立場を変えてみればすぐにわかります。
 妻が夫に、「隣のうちのご主人、格好いいわねえ」などと言って、夫が自分もがんばろうと思うことはまずありません。
 逆に、夫が妻に、「あそこのうちの奥さん、いつもきれいだねえ」などと言って、妻が私もきれいになろうと思うことはまずありません。
 ほかの人を褒めることは、何の意欲にも結びつかないばかりか、かえって反発の要因になるだけなのです。

 そういう、自分に照らし合わせて想像力を働かせればすぐにわかることを、自分の子供に対しては忘れてしまう人が多いのです。

 学校の先生でも同じです。
 作文の指導と称して、上手な子の作文をプリントしてみんない配るようなことをする先生がいます。
 それは、その子を褒めるという意味だけではいいのですが、それがほかの子の作文を上達させるようなことはまずありません。
 そういう指導法で作文が上手になるのなら、日本中の子供がすぐに作文が上手になっているはずです。

 作文は、ほかの人の上手な作文を見せられて上達するものではありません。
 その子の作文のいいところを、その子のためだけに褒めるのでなければ、指導とは言えないのです。

 学校で作文指導に熱心な先生に教えられると、そのクラスでは作文嫌いになる子が増えるという調査結果があります。
 その熱心さの中身が、上手な子の作文を褒めるようなことになっているからです。

 子供の作文を見たら、ほかの子と比較するのではなく、その作文のいいところだけを見て褒めてあげることです。
 言葉の森の項目指導はそのためにあるのです。

 「たとえを入れて書こう」という項目で、たとえができていたら、そのたとえの中身よりもまず本人が意識的に努力して書いたことを褒めるのです。
 こういう地道な褒め方をせずに、おおまかに作文の全体を見て、うまいとか下手とか言うのは、子供の教育にとって何のプラスにもなりません。

 子供の作文を上達させるかどうかの役割の半分は、お母さんの接し方にあります。
 いつも、自分の子の作文のいいところだけを見て、たくさん褒めてあげてください。




同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭で教える作文(55) 作文の書き方(108) 

コメント欄

nane 2018年7月10日 8時37分  
 ときどき、「もっとどんどん直して、いい表現の仕方を教えてください」と言うお母さんがいます。
 そういうことで作文が上達するのであれば、日本中の子供が作文が上手になっています。
 作文は、直してすぐに直るものではありませんし、上手な表現を教えてすぐに上手な表現が使えるようになるものでもありません。
 項目を入れる地道な努力をしつつ、読書と音読と対話で語彙力を地道につけていくしかないのです。
 だからこそ、作文力がその子の本当の学力の評価になっているのです。


森川林 2018年7月10日 8時37分  
 作文を上達させるいちばんの方法は、事前指導です。
 逆に、作文を下手にするばかりか嫌いにさせるいちばんの原因は、書いたあとの注意のしすぎです。
 注意をすれば、ごく短期間だけはうまくなります。
 しかし、すぐに上達が止まり、やがて作文が苦手になり嫌いになっていきます。
 注意は、書いたあとにするのではなく、書く前にするのです。
 そして、書いたあとは、書く前の指導に沿ってよくできたところを褒めてあげるのです。


コメントフォーム
よその子を褒めるのではなく、自分の子を褒める 森川林 20180710 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
なにぬね (スパム投稿を防ぐために五十音表の「なにぬね」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭で教える作文(55) 作文の書き方(108) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習