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今、寺子屋オンラインシステムで考えていること(3)――森林プロジェクトの講師 as/3420.html
森川林 2018/10/04 12:01 
△水引草

 寺子屋オンラインの授業は、今後、実習時間の確保、学年分け、定期テストなどの改良とともに、クラス数も増やして、誰でも利用しやすいようにしていく予定です。

 ところで、この寺子屋オンラインシステムの拡充のためには、現在の言葉の森の講師の人数では間に合いません。
 現在の講師はそれぞれ担当時間が埋まっているため、新しく時間を割くことが難しいからです。
 そこで、更に多くの講師を、森林プロジェクトの寺子屋オンライン作文講師育成講座で募集することにしました。

 その募集の前提として、言葉の森では、講師の役割を次のように考えています。
 まず、勉強の重要な要素は、教室、教材、教師などだと考えられています。
 しかし、私はいちばん大事なものは、一緒に学ぶ友達と、教育の目的だと思います。

 今の学校や塾で行われている勉強の多くは、答えがある問題のその正しい答えを早く見つける勉強です。
 そのため、答えを見つける勉強の発展した形は、難しい問題を解く勉強という方向に進みます。
 それは結局、難しい問題を出すことによって子供たちに差をつけて評価することを目的としているからです。

 しかし、勉強の本来の目的はそうではなく、すべての子供が必要な学力をつけることと、そしてその基本となる学力を生かして、創造的な学力を育てることです。
 例えば、算数の問題でも、難問を解く力よりも、自分で新しい問題を作る力の方が重要になってくるのです。

 創造力を育てるという勉強の目的にとって重要なのは一緒に学ぶ友達です。
 子供たちは、勉強にしても、遊びにしても、他の人との関わりがあることによって意欲的に取り組めるからです。

 こういう教育の目的を考えると、先生の役割というものはこれまでとは大きく違ったものになってきます。
 これまでの先生は、教えることを中心とした仕事をしていました。
 そのため、現在も学校の教科書は、教えることを前提にして作られています。決して、独学で学べるようには作られていないのです。

 しかし、教科書以外の市販の問題集や参考書の中には、子供が保護者と協力して独学で学べるような仕組みのものも数多く作られています。
 また、ネットを使ったビデオ授業のように、子供がその授業を視聴するだけで、新しい勉強の中身を習得できるようなものも増えています。

 すると、先生の役割は、ますます勉強を教えるということからは遠ざかります。
 そしてそのかわり、参加する子供たちの集団を活性化し、仲間はずれを作らず、みんなが協力し励まし合いながら勉強進めていくような、動的なクラスを作ることが重要な仕事になってくるのです。

 もちろん、先生には、教える教科の知識があるに越したことはありません。
 しかし、小中学校の義務教育の範囲の勉強は、大人であれば既に一度は学び終わった内容ですから、少し時間をかければ誰でもできるようになるのです。

 寺子屋オンラインは、単に勉強を教える教育ではなく、従来の学力とともに新しい思考力・創造力・共感力・発表力を伸ばす教育として広がげていく予定です。
 その寺子屋オンラインの少人数クラスをカバーする先生は、教える先生よりも、子供たちの集団を活性化する先生です。
 そういう先生を、今後、森林プロジェクトの寺オン作文講師育成講座で募集していきたいと思っています。



コメント欄

森川林 2018年10月4日 13時26分  
 今の教育は、次第にティーチングからコーチングの方向に向かってします。
 先生が知っている知識を、その知識をまだ知らない生徒に教えるというのは、インターネットがなかった時代の古い教育です。
 これからは、知識はそれぞれの生徒が自主的に習得し、その成果を互いに発表し合い、友達との交流の中で創造的に発展させるという学び方になってきます。
 そういう時代の先生の役割は、これまでとは大きく変わったものになってくるのです。


nane 2018年10月4日 13時39分  
 寺子屋オンラインの少人数クラスは、通学教室よりも能率がよく、通学教室よりも友達と仲よくなれるクラスです。
 しかし、その分、先生の勉強の進め方に工夫が必要になります。
 今は、そのためのノウハウを蓄積しているところです。
 ここで、ほかのところでは得られない、作文と発表を中心とした創造的な教育を広げていきたいと思っています。



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