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一生の宝となる独学力を育てる勉強 as/3511.html
森川林 2019/01/20 10:55 

 国語の勉強などで、文章の要約をするというのは一つの勉強の仕方です。
 作文を書いたり感想文を書いたりするのも、一つの勉強の仕方です。
 また、国語の問題集を解くいう勉強の仕方もあります。

 これらの勉強の違いは、答えや枠組みが与えられた勉強か、あるいは自分から問題の枠組みを作り答えも作り出す勉強かの違いです。
 問題集を解くのは答えのある勉強、要約を書くのは答えの枠組みがある勉強、作文や感想文を書くのは枠組みがないか少ない勉強です。

 答えや枠組が与えられた勉強は、誰でも一定のところまではやらなければならないので、その勉強をさせる方も安心して見ていられます。
 枠組みのない勉強は、本人の取り組む姿勢によって優れた勉強になることもあれば手を抜いた勉強になることもあります。
 だから、ほとんどの場合、答えや枠組みがある勉強が家庭学習の中心になります。

 答えや枠組みのある勉強法の弱点は、問題が与えられなければ勉強が始まらないことです。
 世間で良い問題集と言われているものもありますが、他人の作ってくれた問題と答えのセットがなければ勉強が開始できないという共通の弱点を持っています。

 しかし、作文や感想文の勉強の場合は、今世の中で行われている作文感想文指導は、逆に全く枠組みがなくしたがって明確な評価もないものがほとんどなので、言葉の森では独自の構成と表現項目の枠組みを作って指導をしています。
 その枠組みの中身を自分の体験や知識や思考や表現で個性的に埋めていくのが、言葉の森の作文の勉強法です。

 この作文の勉強と並行して、今言葉の森が寺子屋オンラインで行っている発表学習も、作文と同じように枠組みのない勉強です。
 参加する生徒が、自由に自分でテーマを決めて調査をしたり実験をしたりしてきたことを発表するのです。

 こういう勉強が何の役に立つかというと、将来その子がいろいろなものを独学で学んでいく際の勉強に対する姿勢となるのです。
 野口悠紀雄さんが、「『超』独学法」という本を出しています。
 これからの世の中は、科学技術の進歩がさらに速くなります。
 学校で学んだことはすぐに使えなくなり、必要な知識や技術は、学校を出て社会人になってから必要に応じて学ぶようになります。
 この本には、こういう社会の動きと、独学の必要性、そして、独学の効果と方法などが書かれています。

 もちろん、義務教育の初期の勉強は基礎的な勉強ですから使えなくなることはありませんが、中学高校と学年が上がるにつれて勉強の中身が古くなる度合いは早くなります。
 そのときに役立つのが、勉強は人に教わるものではなく自分から進んで学ぶものだという勉強観、学問観です。
 勉強は、自分から学ぶものだという考えを持つ生徒と、勉強は人に教わるものだと考える生徒とでは、すでに高校生のころから勉強の能率が大きく変わってくるのです。

 ところで、答えや枠組みがない創造的な勉強は、個性的で優れた勉強になる可能性もある反面、手を抜いた形だけの勉強になる可能性もあります。
 ほかのものをコピーして丸写ししたものを自分の勉強とするようなやり方もできなくはないのです。

 枠組みのない勉強を個性的創造的な方向に振り向ける力は、親しい友達との交流の中にあります。
 先生に見せて評価だけもらえればよいという勉強では、コピー・ペーストで済ませてしまう生徒も出てきます。
 しかし、親しい友達との間では、できるだけ自分らしい発表をして、その友達のグループに貢献したいという気持ちが湧いてくるのです。

 言葉の森が今進めている寺子屋オンラインという少人数の発表クラスと作文クラスは、勉強の中身とともに、独学力を育てるこれからの時代を先取りする新しい勉強なのです。



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森川林 2019年1月20日 11時2分  
 小学校時代の勉強で大切なのは、今の成績をよくすることではなく、その子が中学生や高校生になったときに勉強がよくできるようになる土台を作っておくことです。
 その土台の最も大きなものが、自分から自主的、創造的に取り組む勉強の姿勢です。
 自主的な勉強は、初期のころは能率が悪いことがほとんどです。
 創造的な勉強は、時間ばかりかかり勉強だか遊びだかわからないものになることがしばしばあります。
 しかし、その勉強姿勢は、あとになるほど生きてくるのです。

nane 2019年1月20日 11時10分  
 勉強の目標は、東大に入れるような子を育てることではなく、ノーベル賞を取れるような子を育てることです。
 しかし、ノーベル賞は限られているので、とりあえずの目標は、勉強を楽しめるような子を育てることです。


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