私が尊敬している人の一人、増田俊男さんは、2020年11月の米大統領選のあとに、株価の大暴落が始まり、ハイパーインフレになると言っています。
なぜ増田さんを尊敬しているかと言えば、日本のことを真剣に考えているからです。
私が尊敬するもう一人の人、副島隆彦さんは、2024年の新札はデノミの布石だと言っています。
原田武夫さんや、原田さんを紹介している金の玉造さんも同じように言っています。
割合はどうなるかはわかりませんが、わかりやすい形では、今の福沢諭吉の1万円札が、新千円札の北里柴三郎になるということでしょう。
では、そのように予測される未来に対して、私たちはどう対処したらいいのでしょうか。
経済や金融の専門家は、「金(きん)を買え」と言います。
それは一理ありますが、金を食べて暮らすわけにはいきません。
金を買うほど余裕のない人は、食糧生産を自分で始めるとか、あるいは食料を備蓄するとかいうことを考えます。
それも一理ありますが、それは、未来を志向した対策ではなく後ろ向きの対策です。
金を買うよりも、もっと流通性のある仮想通貨を買うべきだという人もいます。
ペイパルの創業者であるピーター・ティールさんは、仮想通貨をデジタルゴールドを呼んでいます。
アマゾンなどのネットショップの商品も、今後仮想通貨で購入できるようになるだろうことを考えると、仮想通貨は金よりも使い勝手がよさそうです。
しかし、それももちろん後ろ向きの発想です。
なぜ後ろ向きかというと、自分だけ助かればよいという考えだからです。
では、前向きの発想とは何でしょうか。
前向きの発想とは、これまでの、古い、バブルで吹き飛ぶような、人間の真の幸福に結びつかない、GDPを引き上げるだけの、旧来の仕事にしがみつくのではなく、それらの古い価値観から脱却した新しい仕事を始めることです。
その新しい仕事の基準は、ひとことで言えば、ほかの人に喜ばれることをするということです。
喜ばれるというのは、その仕事の対象となる人の幸福、向上、創造、貢献に資することです。
しかし、これまで特に何の準備もしてこなかった人が、仕事としてできることは限られていると言う人が多いと思います。
そうではありません。
最も直接的にできることは、明日の日本の創造の担い手となる子供たちを育てることです。
子供たちの教育に、知識や技能は必要ありません。
知識や技能は、既にさまざまなところで提供されています。
そして、人間が本気になれば、必要とされる教育の知識や技能はすぐに身につくものだからです。
大事なことは、知識や技能ではなく、子供たちを一人の例外もなくその子の最もよい状態になるように育てようという志です。
そういう考えで、森林プロジェクトの寺オン講師育成講座を始めました。
展開が当初の予定よりも遅れていますが、今後、言葉の森が全教科の学習をカバーするようになることに対応して、同じような考えを持つ人と幅広く協力していきたいと思っています。