子供は、物を作るのが好きです。
本当は、大人もそうです。
その反対に嫌いなのは、物を作らされることです。
それは、大人も同じです。
物を作るのが好きなのは、そこに自分らしい工夫と発見と創造があるからです。
作らされるのが嫌いなのは、その反対だからです。
普段の勉強では、工夫と発見と創造は必要とされません。
むしろ、解法を読んで理解することが勉強の基本です。
答えのある勉強は、それでいいのです。
教えたやり方で解くというパターンを覚えることももちろん必要だからです。
しかし、自分らしいやり方で失敗することもそれ以上に必要なのです。
湯川秀樹氏が、好きだった数学をやめて物理に移ったのは、数学の試験で答えは合っていたものの先生の教えたやり方で問題を解かないために×になったからでした。
勉強の基本は、読み、書き、考える力をつけることです。
そして、答えのある世界では、答えにできるだけ早く近づくように先人の解き方のパターンを理解することです。
しかし、これから必要になる学力は、それらに加えて、自分らしい創造をする力です。
以上の三つの勉強の分野は、それぞれ、
作文読解クラス、
自主学習クラス、
創造発表クラスの勉強分野です。
創造発表クラスでは、従来の勉強ではない、創造的な勉強を中心にしていきます。
その勉強に向いているのは、小学校の教科で言えば、理科、図工、社会、数学、英語、国語の順です。
数学や英語や国語でも、創造的な勉強をすることはできますが、教科の体系が確立しているので、なかなか創造的なところまでは行けません。
理科と図工と社会は、教科の体系よりも、対象となる分野の方がずっと広いので、そこでさまざまな創造が可能になるのです。
理科実験は、小学校高学年でなければ難しい面もあるので、創造発表クラスでは低学年向けにせいかつ文化の分野を追加しました。
しかし、子供たちにとっては図工の分野の方がより面白く参加できるので、新たに図工の分野の参考図書を追加します。
図工は、STEM教育で言えば、サイエンス・テクノロジー・エンジニアリング・マセマティクスのうちのエンジニアリングの教育です。
物を作るときに必要な能力は、状況に合わせたさまざまな試行錯誤を工夫する力で、それはプログラミングに必要な能力と同じです。
今はまだプログラミングは、プログラミング言語を学ぶことが大きな目標になっていますが、将来は言語的なことはAIがカバーするようになります。
すると、プログラミング教育で人間が行うことは何かと言えば、それは工夫し創造することなのです。
工夫と創造には、ものづくりだけでなく、料理もファッションもあります。
スポーツも音楽もデザインも、本当の目標は創造です。
しかし、体系が確立しているものでは、個人の創造する余地はかなり上達してからでなければ出てきません。
だから、子供時代は身近な工作を通して、その創造の感覚を育てていくといいのです。
【図工の参考図書】
小学生の自由工作バーフェクト高学年編 成美堂出版編集部 成美堂出版
リサイクル・ネイチャー素材で作る 小学生のアイデア工作 改訂版 蓮見 国彦 (監修) 学研プラス
工作図鑑 かざまりんぺい 主婦の友社
【
前回紹介した理科実験の参考図書】
実験おもしろ大百科 科学編集室 学研プラス
でんじろう先生の学校の理科がぐんぐんわかるおもしろ実験 米村 でんじろう 主婦と生活社
理系アタマがぐんぐん育つ科学の実験大図鑑 ロバート・ウィンストン/西川由紀子訳 新星出版社