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読めていない読解力、解けていない読解力――質問する生徒ほど力がつく as/3995.html
森川林 2020/02/05 14:08 

 読解力は、読む力と解く力が組み合わさったものです。
 だから、読解力がないという場合、どちらの比重が高いかによって対策も異なってきます。

 読めていない読解力とは、設問の周辺だけを見て答えてしまうような読み方をするレベルの読解力です。
 長い問題文の中で、「AはBですか」という設問があったとき、AとBの話が書いてある1、2行あとのところだけを見て答えてしまうような読み方です。

 ところが、読解検定のような難問の場合、その設問が問われている箇所からかなり離れたところに、もっと重要なAとBの話が出ていることがあります。
 そして更に、内容的にはAとBのことであっても、表現の上でAやBという言葉が使われていない場合もあるのです。

 こういう問題文を読む力をつけるには、かなり時間がかかります。
 しかし、方法は簡単です。その方法とは、難しい文章を読む練習を続けることです。

 そのもっともやりやすい方法が、問題集読書です。
 しかし、問題集読書は続けにくいので、自主学習クラスなどでやっていく必要があります。

 なぜ家庭では続けにくいかというと、問題を解いて○×をつける勉強ではなく、ただ繰り返し読む勉強なので、親子だけで続けるには張り合いがなさすぎるからです。
 高校生ぐらいになれば、勉強に対する自覚があるので、問題集読書という勉強も続けられますが、小中学生が自分の意志だけで問題集読書を続けるのは難しいと思います。


 さて、もう一つの「解く読解力」は、「読む読解力」とは異なります。
 読む力のある子なのに、正しく解けていないという場合が、解く読解力がないということです。

 正しく解けない理由は、設問の答えを問題文の中だけに限定せず、自分の考えや世間の常識の範囲で考えてしまうからです。

 この場合の対策は、比較的簡単です。
 (1)一般論として考えるのではなくその問題文に書かれている範囲で、(2)必ずしもそうとは言えないところがあるとすれば、(3)その選択肢は○ではない、という三重否定を頭の中で考えて選択するのです。

 解く力をつけるためには、考える力がなければなりません。
 しかし、逆に言えば、こういう二重否定、三重否定の論理の筋道をたどっていける思考力があれば、国語の読解問題は誰でも100点近い点数が取れるようになるのです。

 例を挙げてみます。
 「浦島太郎」の話をもとにした問題文があるとします。
 その問題文で、「浦島太郎は亀を助けました」とだけ書いてあったとしたら、設問の選択肢に、「太郎は、亀がかわいそうなので助けました」とあった場合、この選択肢は○ではないのです。
 自分の感覚や、浦島太郎一般の話の範囲では、正しいように見えても、問題文の範囲に限ってみれば、「必ずしも正しいとは言えない」から「○ではない」ということです。


 読解検定をやっていて国語の成績が上がる生徒は、自分の選択がなぜ間違っていたのかという質問をよくする生徒です。
 先日、「国語の得意な丘」や「保護者掲示板」に、何人かの生徒から質問が入っていました。
 こういう質問をする生徒は、必ず国語の成績が上がります。

 だから、今度、質問専用の掲示板を作り、できるだけ検定試験のあとに質問を入れてもらうようにし、生徒どうしが互いの質問を見られるようにしようと思っています。


日本語作文検定
英検、漢検、数検に続く第四の検定試験 日本語作文検定。
全国初、小1から高3までの系統的な作文指導と客観的評価。
 

コメント欄

森川林 2020年2月5日 14時18分  
 国語の問題の見直しをする場合、正しい答えがなぜ正しいかわかるだけでは力はつきません。
 正しくない答えがなぜ正しくないかを説明できて初めて力がつきます。
 だから、今度、読解検定の質問コーナーをもっと充実させていこうと思っています。

nane 2020年2月5日 14時25分  
 これまでの読解試験で印象に残っている生徒は、毎月の試験のたびに、「なぜこの答えが違うのですか」としつこく質問をしてきた数人の生徒です。
 その生徒たちは、全員が毎回ほぼ百点を取れるようになり、みんな難関校に進学しました。
 しかし、そういう質問をするのは、中学生や高校生の生徒でした。
 小学生の場合は、まだ質問をするところまで行かないことが多いので、家庭でお母さんが一緒に読解検定の見直しをしてあげるといいと思います。

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