コロナウイルスによる学校休校対応のために創設した朝のオンラインスクールによって、少人数対話型のオンライン教育の学習が多くの人に知られるようになりました。
Zoomによる少人数の対話型オンラインクラスでは、これまでの学校や塾の一斉指導ではできなかった学習が可能になりました。
その第一は、それぞれの生徒が個別に、自分で決めた範囲の自主学習を進めることができる点です。
このことによって、朝のオンラインスクールでは、短期間のうちにその学年の学習内容をかなり先まで進めることができた人が多かったと思います。
第二に、先生による個別指導の時間が、ブレイクアウトルーム機能を利用することによって確保できるようになったことです。
リアルな教室では、例えば、5、6人の生徒がいた場合、そのうち1人又は2人だけを個別に指導することはかなり難しいものです。
個別の話し声が、ほかの生徒の学習の妨げになるからです。
その点、オンラインでは、ある生徒はある部屋で、別の生徒は別の部屋でと、個々に話をすることができます。
しかし、このブレークアウトルーム機能を個別指導に活用できるのは、生徒数が5、6人に限定されている場合だけです。
時どき、10人程度のオンライン教育を「少人数個別指導」と呼んでいるところがありますが、10人では個別指導はまずできません。
第三に、5、6人の少人数クラスでは、子供どうしの対話による学習意欲の活性化が可能なことです。
特に、オンライン教育では、全国から広範に生徒を募集することができますから、気の合った子供どうしが同じクラスで勉強するという機会が生まれるようになります。
すると、本人がひとりで勉強するよりも、また、先生が励まして勉強させるよりも、また、外からの競争や賞罰で勉強させるよりも、子供たちが自然に友達との切磋琢磨の中で勉強する雰囲気になってくるのです。
このことがよく表れているのが、子供たちによる読書紹介の時間です。
この少人数クラスの力学というものは、これまでの教育ではほとんど取り上げられていませんでした。
それは、そういうものがあるとわかっても、それを活用する方法がなかったからです。
それが、ここに来て、Zoomによる少人数対話型のオンライン教育をする中で、教育の新しい重要な要素としてわかってきたのです。
森のオンラインスクールの自主学習クラスの特徴は、以上のように、第一に能率のよい自主学習、第二に先生による個別指導、第三に生徒どうしの交流による切磋琢磨と、更にそれに加えて、みんなの前で発表することによるコミュニケーション力の向上などが可能になることです。
このように考えると、少人数対話型のオンライン教育は、リアルな教育ができないからやむを得ず行う代替的なオンライン教育ではなく、リアルな教育を超えたオンライン教育であることがわかります。
そこが、これまで行われてきた世間一般のオンライン教育と、森のオンライン教育との大きな違いなのです。