●動画:
https://youtu.be/4emdIfrokYo
日経の「私の履歴書」などを読むと、立派な業績を残している人の多くが、「子供のころ、母親に『勉強しなさい』などと言われたことはなかった」と言っています。
昔と今とでは、学歴に対する考え方も違うとは思いますが、昔はもっと子供に対する全面的な見方をしていて、成績の面中心に子供を見るということは少なかったように思います。
私のうちの例で恐縮ですが、うちの長男が小3のとき、算数の学力テストでひどい点数を取ってきたことがあります。
そのとき、私が最初に思ったのは、「これは面白い。将来いい思い出になるぞ」ということでした。
そして、また、「今の学校には教育力がなくなったんだな」とも思いました。
子供と話をしていれば、その子がどの程度の頭を持っているかはわかります。
テストで評価される点数などは、他人が勝手に他人の基準でつけたものですから、気にすることはありません。
そういう他人基準の評価などは、やる気になればいつでもその基準に合わせた高評価を得られるようになります。
何も、楽しい小学生時代から、そういう他人の評価に振り回される必要はないのです。
小中学生時代は、テストの点数よりも、まず実力をつけることが大事です。
その実力をつける源は、ある程度難しい本を読みこなす力です。
読書さえしっかりできていれば、英語でも数学でも、すぐにできるようになるのです。
(ただし、すぐにはと言っても、2、3ヶ月かかることはあります。)
父母面談で、保護者からの相談としてよく聞くのは、「○○の成績が悪かったが……」というようなことです。
確かに、今の受験では、苦手な科目の点数を上げていくことは大事です。
特に、受験生は、苦手科目の点数を上げることを第一の目標にしなければなりません。
しかし、社会に出るころには、そういうことはどうでもよくなります。
むしろ、個性があること、自分らしい生き方ができること、自分なりの工夫ができること、他人に対する思いやりがあること、人生を真面目に生きようとしていることなどの、点数には出ない特質の方が重要になるのです。
私が、こういうことをここでわざわざ述べるまでもなく、世の中はこれから大きく変わっていきます。
いずれ、今の受験勉強のような評価はなくなります。
しばらくは、今のどうでもいい点数競争に付き合う必要はあるかもしれませんが、親はもっと先を見て、子供の本当の実力を本当の幸福を考えていくといいのだと思います。