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「学校 あの不思議な場所」の詩をふと思い出して as/4521.html
森川林 2022/09/01 07:54 


●動画:https://youtu.be/3CoC3024_NU

  学校 あの不思議な場所
    茨木のり子

午後の教室に夕日さし
ドイツ語の教科書に夕日さし
頁がやわらかな薔薇いろに染った
若い教師は厳しくて
笑顔をひとつもみせなかった
彼はいつ戦場に向うかもしれず
私たちに古いドイツの民謡を教えていた
時間はゆったり流れていた
時間は緊密にゆったり流れていた
青春というときに
ゆくりなく思い出されるのは 午後の教室
やわらかな薔薇いろに染った教科書の頁
なにが書かれていたのかは
今はすっかり忘れてしまった
 "ぼくたちよりずっと若いひと達が
 なにに妨げられることもなく
 すきな勉強をできるのはいいなァ
 ほんとにいいなァ"
満点の星を眺めながら
脈絡もなくおない年の友人がふっと呟く

学校 あの不思議な場所
校門をくぐりながら蛇蝎のごとく嫌ったところ
飛びたつと
森のようになつかしいところ
今日もあまたの小さな森で
水仙のような友情が生れ匂ったりしているだろう
新しい葡萄酒のように
なにかがごちゃまぜに醗酵したりしているだろう
飛び立つ者たち
自由の小鳥になれ
自由の猛禽になれ

====

 茨木のり子さんの詩です。
 わかるなあ。

「蛇蝎のごとく嫌ったところ
 飛びたつと
 森のようになつかしいところ
 今日もあまたの小さな森で
 水仙のような友情が生れ匂ったりしているだろう」

 子供のころを思い出すと、いろいろ理不尽なことはあり、子供だったからそれに敏感だったこともあり、蛇蝎のごとく嫌ったこともありますが、大きく見れば、学校はやはり森のようになつかしいところでした。

 言葉の森のオンラインクラスの運営も、そのようになつかしいところにしていきたいと思います。
 そのためには、勉強の目的を、成績の輪切りの上に行くことではなく、オンリーワンになることに置く必要があります。

 昔、年功序列と終身雇用の時代には、輪切りの輪のひとつでも上に行くことが勉強の目標でした。
 今も、多くの先生は、その昔の意識で子供たちを指導しています。

 しかし、未来は、ベーシックインカムと独立起業の時代になります。
 今はまだ、その萌芽もほとんど見られないかもしれませんが、時代は確実にその方向に向かっています。

 子供たちは、教科の成績の輪切りに収まらない、無限の個性の可能性を誰もが持っています。
 もちろん、これからの個性は学問に裏付けされている必要があります。
 だから、学問の実力をつけることは前提ですが、勉強の目的は、勉強そのものではなく自分の個性を生かして生きていくことなのです。

 言葉の森は、そういう新しい学校のような場所になることを目指しています。

 と書いていてい、ふと「学校ごっこ」という言葉を思い出しました。
 子供たちは、学校はあまり好きではありませんが、学校ごっこという遊びは好きです。
 勉強したり、教えたり、教えられたちということは、本来楽しいものなのでしょう。
 それが、制度として強制されるのでなければ、学校は楽しい場所になるのです。


 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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コメント欄

lemonade 2022年9月2日 11時31分  
いつも示唆に富んだ記事を公開して下さり、ありがとうございます。いつか中学生高校生と親のかかわり方について、先生のお考えをお聞きしてみたいと思います。中高生たちは、大きな変化の時代が訪れた社会に出ることが目前に迫った今現在も、頻回の試験や膨大な課題と向き合っています。親はどのような姿勢で子どもと過ごせばよいとお考えでしょうか。よろしくお願いいたします。

森川林 2022年9月2日 18時55分  
 lemonadeさん、コメントありがとうございます。
 今度の記事で、子供たちの今後の勉強の方向を書く予定です。
 未来は、たぶんもっと明るいものになると思います。

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