●動画:
https://youtu.be/MpZGFVs8U64
言葉の森のオンラインクラスでは、どのクラスも、最初に15分程度の読書紹介を行っています。
そのクラスの勉強だけをした方がいいという考えもあるかもしれませんが、勉強は基本的に家庭で毎日やっていくものです。
せっかく、そのクラスに4人までの生徒が集まっているのですから、その集まりを生かして読書紹介などの交流の場を作っていく方がいいのです。
この読書紹介によって、どの小学生も、中学生も、高校生も、本をよく読むようになります。
そして、更に大事なことは、学年が上がるにつれて、子供たちの発表が上手になっていくことです。
小学校高学年になると、短い時間の中で簡潔にその本の内容を紹介し、自分の印象に残ったところを説明し、その本に対する自分なりの感想を述べることのできる生徒が増えてきます。
このようにみんなの前で必要なことをわかりやすく説明できる発表力は、オンライン4人クラスの読書紹介のような機会がなければ、なかなか育てることはできません。
読書紹介によって、子供たちの読書量は自然に増えます。
もし、この毎週の読書紹介の時間がなければ、本をわざわざ読む時間を取らない中学生や高校生は多いのです。
読書というものは、毎日の生活習慣ですから、数日読まない日が続くと、読書の習慣はすぐになくなります。
そのなくなった読書習慣を取り戻す方法はなかなかありません。だから、高校生の不読率が50%にもなっているのです。
しかし、毎週の読書紹介があれば、読書の習慣をすぐに回復することができます。
読書紹介は、読書力をつけるための最良の方法なのです。
ただし、読書の習慣がついたあとの課題はあります。
それは、読書の質です。
小学校低学年で、絵本のような本ばかり読んでいる場合、その絵本の内容がいくらよくても、文章として読む部分が少ない場合は、読書力はつきません。
読書力がつかないと、本当の読書の楽しさというものがわかりません。
文章のしっかり書かれた本を読むようにするためには、親の読み聞かせが必要です。
よく、幼児のときは読み聞かせをよくしていても、子供が小学生になったことを理由に、読み聞かせをやめてしまう人がいます。
子供の読んでいる本の内容を見て、絵ばかりの本であったなら、親が読み聞かせを復活する必要があります。
大事なことは、本に書かれたストーリーの面白さを、絵を見て理解するだけでなく、文章を読んで理解できるようにすることです。
小学校高学年や中学生、高校生の場合、いつまでも物語文の本しか読まない生徒がいます。
読書は、楽しみのために読むものですから、物語文の本でもいいのですが、それと並行して説明文の本を読んでいないと、考える力はつきません。
小学校高学年以上の生徒には、理屈を理解する力がありますから、「説明文の本も並行して読むことによって、読む力がつき、頭もよくなる」と話しておくことが大事です。
昔は近所に本屋さんがあったので、子供たちが学校の帰りに本屋さんに寄って立ち読みをする中で、いい本にめぐりあうことができました。
今は、そういう機会はほとんどありません。
しかし、ネットを利用することによって、本に接する機会を増やすことができます。
まず、子供にkindleなどの端末を買ってあげることです。
図の多い本を見るには、fireなどのカラーの大きいサイズのものでもいいと思いますが、大事なのは、いつでも手軽に読めることですから、まず小さい端末を買うといいと思います。
スマホで本を読むこともできますが、操作性を考えると、読書に特化したkindleのような端末の方がいいと思います。
そして、子供に、「毎月の読書の予算5000円分は、自由に使っていい」と言って、子供が自分でネットで本を買えるようにします。予算はその家庭の実情に応じてですが。
子供は、くだらない本も買うと思いますが、自分で自由に本を選んで買える環境があることによって、いい本にめぐりあう確率は高くなります。
ネットの書店のいいところは、自分が選んだ本と関連する本が次々と表示されることです。
また、他人の評価を見て、本を選ぶ参考にすることができます。
kindleであれば、本を読んでいて必要なところに傍線を引くことができます。
また、その本の一部分をコピーして、自分の書く作文などに引用することもできます。
電車通学などをしている子供には、audibleで耳から聴こえる本を契約してもいいでしょう。
読書紹介で読書の機会を増やし、ネットを利用した読書環境で本を選びやすくするというのがこれからの新しい読書生活になると思います。