●動画:
https://youtu.be/_yE86s9HfTU
日本の受験教育の中ではまだあまり話題になっていませんが、世界の教育の潮流は、個性と創造性を生かす方向に進んでいます。
そのひとつの流れがSTEM教育です。(Science、Technology、Engineering、Mathematics。)
言葉の森は、このSTEM教育が話題になる前から、同じようなことを目指す教育を行ってきました。
それが創造発表クラスの教育です。
創造発表クラスは、科学・技術・工学・数学に限らず、人文科学的なことにも、社会科学的なことにも、又は勉強以外の遊びにも範囲を広げた創造的な発表を目的としています。
しかし、自由な創造発表ということで、学習や研究の方向が絞りにくい面もあったので、今後、創造発表のカリキュラムを作ることを目指していこうと思います。
一昔前に比べて、理科実験や自由研究や遊び方に関する情報は、かなり多くなってきました。
小学生新聞の記事などにも、「こんなことを家庭でやってみよう」という実験の話題が増えてきました。
しかし、ほとんどの場合、それらの記事や情報は、読み物として読まれているだけで、実際にやってみる人は少ないと思います。
その理由は、子供がやりたいと思っても、そのための材料の準備などで親の関わる面が大きいからです。
今のSTEM教育と言われるもののほとんどは、一律のお仕着せの企画です。
学校での理科実験なども同じです。
数十人の子供にまとめて指導するために、一見面白くてやりやすい実験や工作に絞って授業が組み立てられています。
本当のSTEM教育は、個々の生徒が自分の興味に沿って取り組むものです。
しかし、それでは、大人数の一斉指導を前提としている学校教育では対応できません。
だから、今の学校の理科実験は、一斉にやりやすいものだけに絞って行われています。
誰でも経験があると思いますが、アサガオの葉っぱの一部をアルミニウム箔で覆い、ヨウ素液に浸してでんぷんができたかどうかを調べるという光合成の実験が、何十年も同じように行われています。
それが悪いというのではありませんが、一斉指導の理科実験では、そういうことしかできないのです。
子供たちが自分の興味や関心に従って実験や観察や工作や自由研究をするためには、家庭での取り組みと、それを発表する場としての少人数クラスの反転教育が必要です。
これが創造発表クラスの学習の意義です。
創造発表クラスでは、結果は二の次です。
子供が興味をもってやりたいと思うようなものは、大抵難しい取り組みになるものがほとんどです。
それでもやってみると、うまく行かないことがよくあります。
しかし、大事なのは、結果ではなくそれに取り組もうとした意欲と途中の過程です。
子供たちは、こういう取り組みを通して、科学や事実の面白さを実感していきます。
「日本のロケットの父」と言われる糸川英夫氏は、子供のころ、ベーゴマで相手に勝つために、両親が寝静まったことを見計らって、ベーゴマに溶かした鉛を盛り込み、最強のベーゴマを作りました。
こういう発想が、大きくなってから、戦闘機隼(はやぶさ)を改良したり、宇宙ロケットの前身となるペンシルロケットを作ったりする土台になったのです。
来年1月から、森川林の創造発表クラスが、土10:00にスタートします。
参加を希望される方は、体験学習においでください。
対象学年は、小1~中3です。
創造発表クラス全体の一覧表は下記のページをごらんください。
https://www.mori7.com/teraon/shlist.php?kjb=20221210&gs=&ks=&zs=%E5%89%B5%E9%80%A0%E7%99%BA%E8%A1%A8