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https://youtu.be/XVHcceOoYyM
世の中のいろいろな論議を見ていると、多くがマイナスをゼロに戻すか、マイナスを指摘するかだけにとどまっているように見えます。
マイナスを指摘し批判することは、あらかじめ目指すゼロがわかっていることなので、歯切れよく論じることができます。
しかし、それだけです。
安定している仕事と言われているものの多くも、マイナスをゼロに戻す仕事です。
教育について言えば、できない子をできるようにするというのが、マイナスをゼロに戻す発想です。
そういうことは誰でも思いつきます。
大事なことは、マイナスを作らないことです。
そして、その前提の上に、ゼロをプラスにしていくことです。
ゼロをプラスにするためには、プラスがあらゆる方向に可能であると考えれば、創造的な考えが必要です。
どこに向かってプラスを創造するかということが、いちばん大事なことです。
子供の教育については、苦手なところに目を向けるのではなく、得意なものを創造的に伸ばす方向に目を向けることです。
では、苦手なところはどうするかというと、それをそのまま放置しておくのではありません。
創造性を重視する人の多くは、苦手なところを素通りしているように見えます。
そうではなく、苦手なところは、もともと作らないことなのです。
日本のかつての寺子屋教育は、苦手をもともと作らない教育でした。
苦手は直すものではなく、最初から作らないことが大事なのです。
これは、子供の育て方についても言えます。
子供に何かだめなところがあるとしたら、それは叱って直すのでも、うまく褒めて直すのでもありません。
もともとだめなところを作らないことがいちばん大事なのです。
苦手なところをもともと作らない教育とは、具体的に言えば、幼長や小1から勉強の習慣を作ることです。
今の学校教育は、厳しい言い方ですが、あてになりません。
30人も40人もの生徒を一斉に教える教育方法が、既に破綻しています。
勉強ができる子は、学校で真面目に授業を聞いている子ではありません。
家庭で毎日の勉強習慣を持っている子です。
するべきことは、簡単です。
幼長や小1から、読書、暗唱、算数、対話の勉強時間を確保しておくことです。
そして、小学校高学年から、中学生、高校生にかけては、数学と英語の1冊の問題集又は参考書を5回繰り返して、その内容を完璧に自分のものにしていくことです。
今後、英語の重要性は低下しますが、数学の重要性は変わりません。
国語と理科と社会は、説明文の読書をしていれば十分です。
国語の本質は、ものの見方や考え方を作るための広い意味での哲学です。
理科は、物理、化学、生物学、地学の基本的な知識です。
大事なことは、因果関係や法則性を理解することです。
社会で重要なのは、歴史で、特に日本の歴史です。
歴史は、教科書の断片的な知識で学ぶのではなく、歴史観のある書物で学ぶことです。
こういう勉強のやり方であれば、子供たちの生活時間に余裕が生まれます。
その余裕時間を活用して、創造的な勉強に取り組みます。
創造的な勉強は、同じような仲間がいることと、自分の創造を発表する場があることで続けやすくなります。
これが、苦手をなくし、得意を伸ばす教育です。
勉強の大きな方向性は、個性を学問に、学問を創造に高めていくことです。