ログイン ログアウト 登録
 新しい未来の学習――創造発表 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 4609番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/7/21
新しい未来の学習――創造発表 as/4609.html
森川林 2023/01/02 10:50 


 学力には、3つの面があると思います。

 第一は、知識です。これは基本的な技能も含みます。
 漢字の読みの知識や、基本的な計算力や、理科や社会の分野の多様な知識です。
 この知識を学力の横軸と考えるとします。

 一般に、学力と言われているものがこの横軸です。
 しかし、学力には、この横軸以外のものががあります。

 第二の学力は、創造力です。
 これを知識の横軸の上に立つ高さの縦軸と考えることができます。

 第三の学力は、思考力です。
 これは知識の横軸の下に伸びる深さの縦軸と考えることができます。

 このように考えると、学力の全体像が◇(ひし形)の形で形成されると見ることができます。
 更に言えば、共感力は、その学力の全体が進む方向です。

 今の教育の多くは、知識の横軸だけを伸ばしているように見えます。
 受験の学力も、結局は解法の知識ですから、知識を能率よく時間かけて身につけることが学力を育てることのように考えられています。
 それは、横軸が答えのある勉強になりやすいからです。

 しかし、大事なのは、ひし形全体の面積です。
 だから、横軸の知識に加えて、上の縦軸の創造力と、下の縦軸の思考力が必要です。
 縦軸は、答えのない勉強です。

 上の縦軸を伸ばす学習が、創造発表とプログラミングです。
 下の縦軸を伸ばす学習が、読書と作文です。

 下の縦軸を伸ばす読書は難読に進む読書です。
 難読とは造語で、難しい内容を読み取る読書です。
 例えば、説明文や意見文の読書です。

 小学校低中学年なら、「理科好きな子に育つふしぎのお話365」のような主に理科関係の本、高学年や中学生なら、「岩波ジュニア新書」や「ちくま少年図書館」のような中高生向けの説明文の本、高校生なら「岩波新書」や「中公新書」のような社会人向けの説明文の本、大学生なら、「岩波文庫」の青帯、白帯、緑帯や「ヘーゲルの精神現象学」のような古今東西の本格的な古典の本です。
 小中高校生が手軽に接することのできる説明文の文章が、問題集読書です。
 興味を持った問題文の出典を見て、その本を図書館で借りるという形で読書生活を発展させることができます。

 作文は難作に進む作文です。
 難作も造語で、難しい内容を考える作文です。
 例えば、小学校高学年から中学生、高校生が書くような抽象的な課題を含んだ作文です。

 上の縦軸を伸ばす学習である創造発表は、自分の興味に基づいて実験や工作や調査や研究を行い、それを創造的に発表する学習です。

 プログラミングも、自分の興味に基づいてプログラムを作り創造的に発表する学習ですが、その前提になるプログラミングを学ぶ期間は、横軸の学習になります。

 横軸の学習は、評価が可能です。
 ある基準があって、そこにどれだけ到達したかが客観的な評価になります。
 この評価を目標にして、学習意欲を持つことができます。

 縦軸の学習には、評価がありません。
 しかし、評価の代わりになるものがあります。
 それが発表と対話です。
 だから、読書紹介、作文発表、創造発表、プログラミング発表などは、縦軸の学習に伴って自然に生まれてくる授業形態です。

 創造発表で大事なことは、自分の興味関心に基づくことと、創造的であることです。
 最初は、理科実験の本などを参考に、自分がやってみたいことに取り組みますが、本に書かれているとおりにうまくできたというのは、出発点です。
 そこから、自分なりの新しい創造を試みることが大事です。
 その創造は、独自の感想という形で表すこともできます。

 社会研究も、資料を調べてまとめるという研究レポートのようなところまでは、出発点です。
 そこから、自分なりの創造的な見解を持つというところが大事です。
 たとえ、その創造がすぐにはできなくても、テキストに沿ってできたところまでは出発点だという自覚を持って研究することが大事です。

 日本のアカデミズムには、西洋に追いつくことが目標という意識がまだ残っているため、独創性を評価しない文化があります。
 しかし、これからの若者が活躍する分野は、日本ではなく世界です。
 世界という土俵で生かせる武器は、横軸の広さではなく、縦軸の高さと深さです。

 今後、力を入れていく創造発表は、そういう新しい学習として進めていきたいと思っています。


 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

コメント欄

コメントフォーム
新しい未来の学習――創造発表 森川林 20230102 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
のはひふ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「のはひふ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 創造発表クラス(0) 
コメント1~10件
昔テレビで一億 森川林
最近の研究では、ゲームは頭をよくするということが言われていま 7/17
記事 2968番
昔テレビで一億 匿名
最新の医学研究でYouTubeを筆頭としたスマホコンテンツが 7/10
記事 2968番
掛け声だけでな 森川林
 あおさん、ありがとう。  読書会、確かにいいですね。 6/12
記事 5344番
掛け声だけでな あお
読書会っていいと思います。私は2年ほど前から地域の読書会に入 6/10
記事 5344番
【合格速報】東 ののはな
東北大学へのご入学、おめでとうございます。 晴れ晴れとした 4/10
記事 5324番
【合格速報】東 とうこ
Yちゃん、ご入学おめでとうございます! 嬉しいご報告を、あ 4/10
記事 5324番
【合格速報】兵 匿名
すごい 3/26
記事 5281番
新しい教育のビ 森川林
 この勉強の目的は、どこかいい大学に入るようなことではありま 3/17
記事 5309番
これからの学力 森川林
発表広場に発表作品を入れています。 (カメラオフの発表のみ 3/5
記事 5306番
暗唱のコツは早 音楽
本当にありがとうございました。 テスト合格できそうな気がし 3/3
記事 700番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 第十番 森川林
B 休眠に入った虫は、厳しい冬をただじっと耐えて乗り切る × 7/17
国語読解掲示板
朝日中高生新聞 森川林
朝日中高生新聞7/13の「天声人語で200字作文」で紹介され 7/14
森川林日記
第十番 冬が近 あういと
問三のBと問4のBが分かりません。 教えてください。 7/9
国語読解掲示板
読書のレベルを 森川林
 変な本を読んでいる子がいたので、聞いてみると、「ビブリオバ 7/6
森川林日記
「世界の教育は 森川林
 著者の白井さんは、よく調べて勉強している。  現在の 7/4
森川林日記
以超、以満とい 森川林
 「以超」は、以上、以降、以後だが、そこを含まずそこを超えた 7/2
森川林日記
2025年6月 森川林
●サマーキャンプ、8/14満員、8/15ほぼ満員。 6/23
森の掲示板
推薦図書検定の 森川林
推薦図書検定のキャラクター、「森ファン」 森のエレファント 6/1
森川林日記
作検のキャッチ 森川林
覚える学習から考える学習へ AI作文検定 AIが測定する 6/1
森川林日記
作検のキャラク 森川林
作検の新しいキャラクター、作シカくん。 5/31
森川林日記

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン