ログイン ログアウト 登録
 受験秀才を超えた、個性的主体的な学力を育てる Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4745番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/23
受験秀才を超えた、個性的主体的な学力を育てる as/4745.html
森川林 2023/05/26 06:35 

チガヤ

●動画:https://youtu.be/6Ha9LqMiNjE

 言葉の森で、低学年の総合学力クラスの子を教えていると、低学年の子供だけあって、その子の個性がよく出てきます。

 いちばん顕著なのは、授業の終わりの「一人一言」という自由な発言の時間です。
 このときに、喜んで自分のことを言う子がいます。
 こういう子は、自由にのびのび生きていると言っていいと思います。

 しかし、自分のことを言わない子がいます。
 自分の個性が出ないようなことを、いつも言う子がいるのです。
 なぜ個性を出さないかというと、私は、人に注意されることを避けているからではないかと思います。
 間違ってはいけないから、正しいことだけを言わなければならないと考えているようなのです。

 成績のよさと、自分を出さないことは、一致していることが多いです。
 その背景には、きちんと子育てをしているお母さんがいると思います。

 きちんと子育てをしているので、子供もきちんとしていて成績もいいのです。
 しかし、その分、お母さんに注意されることのないように先回りして無難なことしか言わない生き方を身につけたように思うのです。


 私は、子供はワイルドに生きるのがいいと思っています。
 自分から進んでいろいろなことをやってみて、失敗したり、成功したりという経験が大事です。
 人に指示されたとおりにやっていれば、失敗はほとんどありません。
 しかし、そのかわり自分で成し遂げたという喜びもあまりありません。


 湯川秀樹氏が、好きな数学をやめて物理学に転向したのは、数学の先生が、先生の教えたとおりの方法で解かなければ答えが合っていても×にするという教え方だったからです。
 その数学の先生は、それなりに考えてやっていたことでしょうから、それはそれでいいのです。
 しかし、才能のある人は、決められたやり方でやるよりも、自分らしいやり方でやりたいと思うのです。


 子供をきちんと育てることが大事なのは、小学2年生ころまでです。
 小学3年生になったら、次第に、親の言うことよりも、自分で判断して行動するように仕向けていくことです。
 指示に従うよりも、自分で考えて行動する方が大事だということを教えていくのです。


 私は、日本のガラパゴス入試が、子供たちを指示待ち人間にしているように思います。
 決められたとおりに能率よくやらなければ成績は上がりません。
 自分らしさを抑える方が、能率はいいのです。
 しかし、その能率のよさは尊重しつつも、能率に負けない主体性を育てていくことが大事だと思います。


▽参考記事
「問題を与えられないと解けない…日本の「受験秀才」が実社会で成功しない根本原因」(野口悠紀雄)
https://president.jp/articles/-/69314

====引用
……「問題を発見する能力」は、学校教育ではなかなか訓練できません。その結果、受験秀才は、問題が与えられればそれを効率的に解けるのですが、どんな問題に取り組んだらよいのかが判断できないのです。

しかも、問題に答えがあるとは限りません。答えがない問題を捉えてしまう危険があります。

これらについての勘を養うことが重要です。それは、受験に必要な能力とは違うものです。

受験秀才はそれができず、「指示待ち人間」になってしまう危険があります。これが受験秀才の最も大きな問題です。このため、受験で成功しても、人生で成功するとは限りません。
====

 野口悠紀雄さんは、東大の工学部で学び、その後、アメリカの大学で経済学を学んだ人ですから、受験秀才と言ってもいいと思います。

 しかし、野口さんの書いている本を見ると、すべて独自の考え方で、まだ誰も言ったことのない話を展開しています。
 だから、受験秀才をはるかに超えた人なのです。
 その野口さんの言っていることは、やはり説得力があります。


 私は、受験秀才は、クイズ番組のような分野に向いていると思います。
 しかし、クイズ番組でいちばん強いものは、これからはChatGPTになります。
 人間は、クイズ番組を超えなければならないのです。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子育て(117) 小学校低学年(79) 

コメント欄

コメントフォーム
受験秀才を超えた、個性的主体的な学力を育てる 森川林 20230526 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
こさしす (スパム投稿を防ぐために五十音表の「こさしす」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子育て(117) 小学校低学年(79) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習