ログイン ログアウト 登録
 小学1、2年生の上手な作文の重点は、題材力と語彙力――語彙力の重点は事実文から説明文意見文の方向に Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4777番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
小学1、2年生の上手な作文の重点は、題材力と語彙力――語彙力の重点は事実文から説明文意見文の方向に as/4777.html
森川林 2023/06/25 06:01 

ガクアジサイ

 上手な作文の重点は、学年によって変化します。

 小学校低学年の作文の重点は、題材です。
 小学校中学年は、題材とともに表現です。
 小学校高学年からは、主題が重要になってきます。
 中学生、高校生は、構成、題材、表現、主題のすべてが重要になります。
 作文試験を受ける受験生は、ここに、字数とスピードが加わります。

 小学1、2年生で、なぜ題材が重要かというと、この時期は自由な題名で書く作文課題だからです。
 低学年のころの作文で、テーマを与えて書かせるのは早すぎます。
 まだ、体験の種類が少ないので、テーマに合った実例を見つけられないことが多いからです。


 自由な題名というと、子供の作文は、学校の話か、学童の話か、家族で日曜日に何かをした話になります。

 作文の勉強は、書くことが中心の勉強なのではありません。
 書く前の題材選びや題材作りが半分で、もう半分が書くことという割合の勉強です。

 題材選びの工夫がないと、子供の作文は、多くの場合、「今日は学校で、こんなことをしました」という話になります。
 しかし、そういう題材の多くは、「こんなことをさせてもらった」という話ですから、受け身の題材になります。
 すると、誰が書いても同じような内容の作文になることが多いのです。

 作文の中に、自分らしい個性があることが上手な作文の条件です。
 だから、題材が重要になります。


 しかし、題材のよさだけで上手な作文になるのではありません。
 同じ題材でも、平面的な作文と、立体的な作文の違いがあります。
 それが、語彙力の差です。

 人間が読んで感じる違いは、「よく書けているけど物足りない」と、「よく書けていてしかも面白い」という言葉で言い表せます。

 この違いは、実は、森リン点の違いです。
 物足りない、つまり平面的だと感じる作文は、語彙の種類が多くありません。
 面白い、つまり立体的だと感じる作文は、同じ字数でも、使われている語彙の種類が多いのです。
 この語彙の種類の多少による違いは、小学生だけでなく、中学生でも高校生でも出てきます。
 森リン点の上位になる作文は、語彙の種類が豊富なのです。


 語彙の種類の豊富さを生み出しているものは、ひとつは親子の対話で、もうひとつは読書です。
 特に、読書は文章語彙が豊富なので、本をよく読む生徒は、あることを表現するのに、それにふさわしい的確な言葉を使うことができます。
 文章語彙の蓄積が乏しい子は、面白かった話の感想を書くときに、「面白かったです」とか、「とても面白かったです」とか、「とても、とっても、すごーく面白かったです」とかいう言葉しか出てきません。
 中学生ぐらいでも、「やばい」という言葉で、すべてを表してしまう子がいるのと同じです。

 同じようなことを体験していても、語彙力の乏しい子は、平面的な体験になり、語彙力の豊かな子は、立体的な体験になっているのです。

 では、対話と読書を改善してすぐに成果が上がるかというと、そういうことはありません。
 算数や英語であれば、がんばればすぐに成績が上がります。
 必要な知識の範囲が狭いので、やれば成果がすぐ出てきます。

 しかし、国語は、日本語の長い生活習慣の中で身につけたものですから、必要な知識の範囲が桁違いに広いのです。
 毎日欠かさずに問題集読書を続けて、成果が出ることなどあきらめかけた半年ぐらいたってから、気がつくと語彙が増えていたというような上達の仕方です。
 だから、国語や作文が苦手な子は、気長にやっていくことが大切です。


 さて、では、小学校低学年で、すでに上手な作文を書いている子は、これからどういう方向で勉強を進めたらいいのでしょうか。

 それは、高学年になって主題が重視される作文に対応できるように、親子の対話のレベルを上げることと、読書のレベルを上げることです。

 もちろん、急にそういうことはできません。
 少しずつ、親子の対話と子供の読書に、事実文に必要な語彙だけでなく、説明文や意見文に必要な語彙を追加していくようにするといいのです。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文教育(134) 小学校低学年(79) 

コメント欄

コメントフォーム
小学1、2年生の上手な作文の重点は、題材力と語彙力――語彙力の重点は事実文から説明文意見文の方向に 森川林 20230625 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
つてとな (スパム投稿を防ぐために五十音表の「つてとな」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文教育(134) 小学校低学年(79) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習