水草とメダカ
●動画:https://youtu.be/QcbLOc8qoCc
文章力と字数の間には、高い相関があります。
もちろん短くても、良い文章というものはあります。例えば、詩の文章、俳句や短歌の文章などがそうです。そういう例外はありますが、文章力と字数の間には、高い相関があるのです。
子供の作文の字数が、どういうふうに進歩しているかを見れば、その子の作文力が上達しているかどうかということが客観的によくわかります。
例えば600字を書いている子は、いつも600字の文章を書いています。
その子に800字まで書いてみようと言っても、なかなかできないことが多いのです。
つまり、普通に書くと600字までしか書けないというのが、その子の実力ということになります。
ある会社の入社試験で、字数を2000字だか3000字だかの作文を書くことが試験の内容というものがありました。
これは、ある意味でとても妥当な試験です。文章の内容よりも、まず何かテーマを与えられて、2000字、又は3000字書けるというのは、それだけ考える力、または題材の力、それから表現の力、主題の力があるということだからです。
最近の高校入試などで、作文の試験とは言っても、せいぜい200字程度の文章の試験が出されることがあります。
これは、全くと言っていいほど意味がありません。
表記のミスがわかるけれども、そこで、その生徒の文章を書く実力や考える力の実力がわかるということはまずありません。
かつて、大学入試の共通テストで150字の文章を評価するというような試みがなされたこともありますが、それも同じです。
150文章で、その生徒の文章力を評価するということは、まずあり得ないと思います。
せいぜい表記のミスがわかる程度で、短い作文の課題は何の意味もありません。
なぜ短い作文の課題が出されるかというと、採点が大変だからという、全く評価の本質に関係ない理由からです。
文章は、1200字以上書かなければ評価の意味が出てきません。
逆に1200字の文章を何本か書かせれば、その人の考える力は、かなりよくわかります。
字数力が1200字をコンスタントに超えるようになったら、次は森リン点を評価の基準にしていくということが考えられます。
森リン点の推移を見ると、その作文の長所や弱点がよくわかります。
例えば、長く書いているけれども、ほとんどが自分の身近な体験という実例で、主題の部分が短いというのは、小学生のころの作文としては上手だったとしても、中学生高校生の考える作文の力がまだないということです。
そういう人は、まず読書に力を入れることです。特に、説明文の読書です。
そして、常に1200字以上の文章を書くということを心がけていくといいと思います。