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 これからの学力を考える――冨山和彦さんの「ホワイトカラー消滅」を読んで(その1) Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
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これからの学力を考える――冨山和彦さんの「ホワイトカラー消滅」を読んで(その1) as/5231.html
森川林 2024/12/06 10:32 



https://youtu.be/cJW1H0_RsYQ

 これからの日本の教育を考えているときに、ちょうど「ホワイトカラー消滅」(冨山和彦著)を読みました。
 この本は、これからの子供たちの教育を考えるお父さん、お母さんの必読書になると言ってもいいと思います。


 私が普段考えていることと一致することが多かったので、改めて、日本の今後の教育について根本から考えてみました。
 ただ、根本からの話は退屈するので、最後の結論というか、現実的な話から始めたいと思います。

 まず、小学校低中学年のころは、漢字の書き取りや計算練習のような役に立つ勉強よりも、子供が熱中する時間を大切にすることです。
 先日、基礎学力クラスの発表の授業で、自分が書いた何枚ものポケモン図鑑の絵を発表してくれた小学1年生の子がいました。
 これは、義務としてやれと言ってもやれるものではなく、好きだから熱中してやれるものです。

 私は、こういう発表を見ると、糸川英夫が子供時代、ベーゴマを強くするために、両親が寝たのを見計らって、溶かした鉛をベーゴマの上に乗せた話を思い出します。
 こういう創造性と自主性が、後年、隼を改良したり、ペンシルロケットを打ち上げたりした創造的な仕事につながっていったのです。


 さて、小学校高学年や中学生の勉強は、家庭学習が基本です。
 学校や塾に行って、他人に教えてもらう勉強は、これからますます補助的なものになります。
 ChatGPTなどのAIを活用すれば、先生に教えてもらう必要がなくなるからです。
 学校や塾は、自分の発表と、友達との交流のために行く場所になります。
 この家庭学習を軌道に乗せやすくするために、今後オンライン自習室を活用する予定です。

 高校生以上は、もう勉強に対する自覚があるので、特に自習室のような枠組みがなくても、自分なりに枠組みを作ってやっていきます。
 勉強の枠組みが必要なのは、中学2年生ぐらいまでです。
 だから、中学2年生までは、家庭学習も、リビングでみんなのいる中でやるようにするのがいいのです。


 言葉の森では、現在、小学123年生向けに基礎学力クラス、小学456年生向けに総合学力クラスを作っています。
 中学生向けには全科学力クラスを作っています。
 これらは、1週目国語、2週目算数数学、3週目英語や暗唱、4週目発表や理科社会という勉強の仕方をします。
 家庭学習を基本にすれば、こういうやり方がいちばん能率のよい勉強法になります。


 今後、本当に大事になる勉強は、作文、読書、創造発表、プログラミング、算数数学になると思います。

 作文や読書や教科の勉強は、日本語という言語をもとにしていますが、プログラミングと算数数学は、プログラミングという言語や算数数学という言語を必要とします。
 だから、プログラミングと算数数学は、独自にやっていく必要があります。

 ただ、今の受験算数数学は、不必要に難しいことをやって、算数数学嫌いの子を生み出しています。
 もっと感動のある算数数学の勉強をやっていくべきだと思います。
 そのために、子供たちが自分で算数数学の問題を作るような時間を増やしていきたいと思います。


 プログラミングの学習は、退屈なコードの勉強が長くなりがちです。
 しかし、ビジュアルなプログラミングから始めても、コードプログラミングに移行するのは、どの子にとっても難しいようです。
 コードプログラミングは、方法の勉強が長く続くだけで、何を作るかといく目的がはっきりしないからです。

 昔のパソコンの黎明期に、プログラミング作りに熱中した子がたくさん生まれたのは、作る喜びという目的があったからです。

 もちろん、今のパソコン教育も、ゲーム作りやロボット作りなど、面白くできることを導入部分にしています。
 しかし、学習の枠が決まっているために自由な創造の余地があまりありません
 自由な創造は、ChatGPTなどのAIを活用すれば、かなりやりやすくなります。
 言葉の森では、今後、HTML、JavaScript、Python、ChatGPTを組み合わせた、目的を先行させたプログラミングの勉強をしていく予定です。


 作文の勉強については、今回、AI森リンで作文の客観的な評価がわかるようになりました。
 客観的な評価がわかるということは、努力の方向や進歩の方向がわかるということです。
 これからの子供たちの作文の勉強は、AI森リンの活用によってこれまで以上に進歩しやすくなると思います。


 ただし、作文力の土台は読書力です。

 読書についても、客観的な指標が必要なので、今後AIを利用した難読検定を行っていく予定です。
 当面、今できることは、少なくとも中学生以上の生徒は、物語文以外に説明文意見文の本を毎週必ず読んでいくことです。
 読書力は、作文力の土台であるとともに、思考力の土台なので、読書に力を入れていると学力全体が向上します。
 ただし、その際の本は難しい説明文や意見文の本である必要があります。


 未来の勉強の中で重要な役割を果たすのが、創造発表とプログラミングです。
 この二つの勉強は、ChatGPTなどのAIと連携する必要があります。

 創造発表は、発表という目的ばかりでなく、発表する方法を学んでいく勉強になります。
 逆に、プログラミングは、プログラミングという方法を学ぶだけでなく、何を作りたいかという目的をもとにした勉強になります。
 すると、将来的に、創造発表とプログラミングは、同じ勉強の二つの面のようになります。
 どちらも、AIの活用ということがキーワードになります。

 家庭では、子供たちが自由にChatGPTを使える環境を早めに作っておくといいと思います。



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